飲んでも飲んでも潤わないと感じるのは    

永遠に終わらないかのような暑さのせいでも  
もうずっとこの街に雨が降らないせいでもない 

渇いているのは心だから 

窓や地面をたたく雨音が恋しい 
あなたの声が懐かしい




夕方見上げた空の高さや雲が変わった
風も変わった 
聴こえる虫の声も   

相変わらずの暑い日々  
でもこうして 秋の気配はたしかに漂う 

金木犀の香りを乗せて   
もうすぐ いちばん好きな季節が巡ってくる