ふたりのカタチ(64)~大学編 雅紀⑤ | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

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結局、ボクと翔の間に何か進展があるはずも無く、2年生を迎える。

結構自分でも頑張ったつもりだった。

翔が居るところには、わざとらしくならない程度に顔を出した。

冬休みには、

「指定神社に行った時、あんまりにも何にも知らないことに愕然としたんだ」

「まぁ、雅紀は普通の家庭で育ってきたからね。そこは分かってたんじゃないの?」

「そうなんだよ。甘かった・・・。本だけじゃわからないしきたりとかいっぱいあるみたい」

「あるねぇ」

「ねぇ、翔、お願いがあるんだけど、ボクに神社の事を教えてくれないかな?」

と、頼み込み一緒にお伊勢さんを何日もまわったり、時には遠出して帰れなくなり、一緒に宿に泊まるなんてこともあった。

もちろん宿に泊まった時は、お酒の力を借りて迫って見たりもしたんだけど、翔は全く乗ってこない。

ボクもはっきりと言葉に出してしまって、すべて水の泡にするわけにはいかないので、『好き』とか、『付き合って欲しい』とかは言わないから翔も突っぱねることはしなかった。

やんわりと、

「雅紀はスキンシップが激しいなぁ、もう」

と言われたことはあった。

でもその位だ。まだいける、はずだったのに、何時しか時は春になり彼がやって来た。

そして、今、当たり前のように翔の横にいる。

邪魔な子。

でも、ボクも翔を手に入れるためだったら彼に痛い目に合ってもらってもいいと思ってる。

どんなことをしようか・・・

待っててね、潤くん。いつまでも幸せな顔で翔の横にはいさせないから・・・。