上下合わせて700ページを超える長編ですが、あまりに面白すぎて一気に読んでしまいました。


「これを読んだ後自分は何を書くべきか途方に暮れた。」朝井リョウ

「すごかった。西加奈子の全部がここにある。」又吉直樹

 

帯にこんな感じのコメントが書かれていたのを見て、正直小説家ならもうちょいなんとかならなかったものか?と思ったけど、読んだ後に、魅力を伝えることが難しい作品だなと納得した。衝撃的すぎて言葉が出ないというか、これはレビューが難しい。。とにかく読後いつまでも西加奈子さんの世界観に浸っていたいと思わせられました。

 

ヤコブとの一度目の別れのシーンでは涙腺が崩壊T_T

 

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1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。

 

積読状態だった去年の本屋大賞昨。田舎の高校生がピアノ調律師という仕事に出会って一流調律師を目指す物語。でも、調律師を目指す話というよりは人生論に重きをおいた話。だから淡々と一定のペースで物語が進んでいく。とりわけ感動する場面なんかがあるわけではないけど、上司の言葉等からしみじみなるほどなあと思わせられる場面がいくつかあった。文体がやさしくて、個人的に好きな作品でした。宮下奈都さんの作品、他に読んでみようかな。

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

ジャンプコミックなんて中学生以来に買ったけど、評判通りすごかったです。1~5巻まで一気読み。

 

母と慕う彼女は親ではなかった、共に暮らす彼らは兄弟などではなかった。三人の子供たちは小さな孤児院で幸せな毎日を送っていた。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げる。真実を知った彼らを待つ運命は、「出荷」という名の「死」…。

 

あらすじはこんな感じで、可愛いらしい絵から想像もつかない終始緊迫感張りつめた作品。頭脳戦のデスゲームでデスノートに近い感じかな?箱庭という意味では進撃の巨人にも似てる。

少年誌ながら物語の展開が予測不能で、大人も楽しめる作品です。あと、登場するこどもたちがかわいすぎる!

前作の火花は、物語の体をなさない生粋の純文学って感じだったけど、今回はわりと起承転結がはっきりしていて、意外にも「恋愛」をテーマにかかれててびっくり。主人公のヒモ男永田の思考、発言、行動どれをとっても自己中心的でクセがすごいんだけど、その突き抜けたどうしょうもなさがむしろ気持ちよかった。良くも悪くもどんだけ素直に生きてんやろ…みたいな。

んで、そんな永田の純情さ?に惹かれるヒロイン沙希の寛大さったらない。こんな良い人おるかな?と思ってしまうけど、これは又吉さんの女性に対する理想像ということなんだろうか。

 

永田の自己中っぷりに単純にイライラした人も多いようだけど、又吉さんとリンクさせて読んだら面白かったです。ラストはせつなくなります。

名前が分からなければ身分もわからない、謎に包まれた若僧探偵がメイドを引っ提げてあらゆる事件を解決する。登場人物皆キャラが立ってて面白い!短編集ですが、とくに三つめの「こうもり」にはまんまとひっかけられました。真っ当な推理小説が読みたい方にオススメです。

自称「貴族」で趣味は「探偵」という謎の男が、コネと召使いを駆使して事件を解決! 斬新かつ精緻なトリックと過去に例のない強烈なキャラクターが融合した、奇跡の本格ミステリ集。

本屋でもメディアでも大々的に取り上げられていた中村文則さんの本書。文庫化されたということもあって気になって読んでみました。宗教、政治、性、戦記とあらゆる要素が盛り込まれており、著者は相当勉強されたんだろうなとまず関心しました。参考文献、引用が多いことに苦言を呈している人も多いようですが、そんなことよりこの大量の参考文献を頭に叩き込む労力を厭わず突き進んだ著者のこの作品に対する情熱に感銘を受けました。

カルト宗教といいながら、登場人物は皆はっきりと自分の考えのもとで取捨選択していたり、登場人物一人ひとりの描かれ方がそこまで緻密だとは感じられず感情移入が困難だったことなどちょっぴり気になりましたが、「教祖の奇妙な話」は楽しく読めました。R帝国も気になってます。

突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。

「リバース」湊かなえ

 

最後の一文を始めに決め、そこから逆算して物語を練っていったというミステリー。ほっこり心が和むシーンも多々あるけど、ラストの文字通り「リバース」な展開に奈落の底へ突き落されたような気分を味わいました。読後の後味がよろしくありませんが、このどろっとしたかんじが湊かなえさんにしか織り成せない世界なのかな。期待を裏切らない。主人公の深瀬くんはコーヒー好きということで、たびたびコーヒーを飲むシーン、淹れるシーン、味を表現するシーンがでてくる。コーヒー好きの僕はこの本を開くたびにコーヒー飲んでました。

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある"闇"があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。

ハリーポッター目当てで5年ぶりくらいにUSJ行ってきました〜。ハロウィン🎃シーズンとあって、平日でも結構混んでました。

目当てのハリーポッターブース。
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ホグワーツ!!

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なぜか敬礼

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オリバンダーの杖屋も忠実再現❗️

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年パス買ったからこれでハリポタ気分に浸りたいときはいつでもいけちゃう。ハニーデュークスのお菓子屋も再現されてて、これでもかってくらい子供心擽られました。

ディメンターとかがでてくる目玉アトラクション、楽しいけどちょっと酔うなあ😞


ハリポタ満喫&初ハリウッドも乗れたし、満足♪次回はフライングダイナソーにも挑戦してみよう!

一応は恋愛小説のようです。主人公の女性はひきこもりで精神を病んでいるにも関わらず、素っ裸で路上を歩いて叫んだり、終始テンションが突き抜けています。よくあるうじうじくら~い感じのお話とも違います。

頭のネジの跳び具合が愉快で、声を出して笑ってしまうところもあった。主人公がエキセントリック過ぎて、恋愛小説と言っていいのかわからないけど、本谷ワールド全開でとにかく笑える。

 

「彼と上野の森美術館にてピカソ展を観に行った際、『ラ~ラリラ~って感じだね』ってコメントしたら、『ラ~ラリヒ~って感じだと思う』って真顔で返されて、あたしは死ぬほどうれしかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだけどあれが恋愛でなければ、私は恋愛を知らない。」

 

この一文が印象的。というかこのやりとりに彼女たちの風変わりな「愛」が集約されています(笑)

あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが……。

これまで堀江さんの本は何冊か読んだことあったんですが、この新書は自身が主催するイノベーション大学校の宣伝本のような位置づけのもので、大まかには好きなことをするためにはお金ではなく「情熱」が必要、そしてその情熱を燃え滾らせられる何かを発見したければHIUに入ろう!といった構成になっています。

会員制学校の説明が大半を占めていたため内容に関しては少々がっかりしました。しかしながら、「好きなことで生きていくためにはまず潤沢な資産が必要」というある種の固着観念を根底から覆している点は爽快でした。自信を持って「大好き」と言える何かがあれば、それをつきつめてやっていけばいい。何をすればよりその物事に没頭できるのかを考えていけばいい。ただそれだけのことなのかなと、改めて感じた一冊です。

「断言しよう。人は好きなことだけして生きていける。それは、例外なく、あなたも」
自分の人生を無駄にしている人へ伝えたい。
自分の「時間」を取り戻す生き方―