人の生死に関わるようなネタバレを含みます。また、批判的意見も含みます。



結果的に汐は亡くなってしまいました。いまいちわからないのですが、朋也も共に亡くなったと考えて良いのでしょうか。


これは、原作ゲーム(フルボイス)をプレイした時に、正直個人的に納得のいかなかった展開だったのですが、アニメで結末を変えるとは思えなかったので、こうなるだろうと予想はしていました。


おそらくアニメから観始めた人には、今回の展開に、素直に悲しみを感じる人と、そうでない人がいるような気がします。



まずは、渚の死からのスパンが短すぎることです。これは、構成上どうしようも無い感じだし、ゲームでも「また誰かが死ぬ展開か・・」と思ったのでアニメだけにいえることではないと思います。渚が亡くなる→5年後の描写から

という流れはゲームでも同じですから。やっと汐と生活して、渚のことを大事に思い出したりしていたのに、結局汐も渚と同じ「原因不明」の病気?で発熱が続く・・・。


これは原作批判になってしまうかもしれないのですが、病気を何か実在するものにはできなかったのでしょうか?実在する病気にすると、それこそ調べる情報量は膨大になりますし、何か間違いがあれば色々な問題に発展するリスクがありますが・・。もちろん、渚は「街」に助けられたので、そのつながりで「街」で工事などが行われて変化していくと体調が・・・というのはわかっています。むしろその時点からファンタジーが始まっているのですから非現実的すぎると批判するのはおかしいと言えばおかしいのですが・・・。


でも、そういうありえなさ「過ぎる」設定に興ざめする人がいるのも事実です。


次に、汐が発熱してからの展開について。個人的には、前述した病気に関してはファンタジー病として扱うとしても、大学病院等で検査を受けない、朋也の退職、秋夫からの支援を断る、結局自分も体調を崩すほど経済難・・・と、あまりにもツッコミどころが多すぎると感じました。これも、ゲームをプレイした時から感じていた疑問です。


病院に入院しない理由を、「原因不明」の病気だからという朋也。もうここから、汐死亡過程へのシナリオがちゃくちゃくと作られているような気がします。実在する病気だったらまず入院しろってなりますからね。そういう意味で、言い方は悪いですが「殺すための」設定としか思えないのです。


学費のために貯金をしていたという朋也ですが、だからと言って退職して生活していけるほど甘くないのは誰が見てもわかる事実ですし、秋夫からの支援を断るのも、その後困っているのになぜ助けを求めないのかもわかりませんでした。


いままで通り働いて、昼は古河夫妻に汐を看てもらって、夜引き取るとか、あるいは同居するとかが堅実的な考えなんでしょうけど・・。ここで、一つ考える余地があるとすれば、「いつ渚のように死を迎えてしまうかわからない我が子を自分がずっと見守っていたい」というような心情があったかもしれないという事ですね・・。これはあくまで推測ですが・・・。


まぁ、そういう心情をくんでも、キャラクターの死によって涙を誘うというような、昨今ありがちな狙いに見えてしまったのは、私がファンタジーとしてこの作品を楽しみきっていないからかもしれません。


「病人がどうしてもと懇願するので連れ出す→結局途中で倒れる→叫んで助けを求める」

よく似た映画が数年前ヒットしたのを覚えています。あえて名前は出しませんが。



演出や作画、声優陣の演技はすばらしいと素直に思えるのに、シナリオの影響で色々と邪推してしまう回でした。これは、アニメだからとかゲームだからとか無いと思います。根底にある原作シナリオからして、個人的にどうかと思ったので。


つまり、あくまで批判対象は京○ニではなく、k○yだということです。