ロバート・ネイサン『夏は遠くすぎて』 | ねこギター

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秋といえば、ふと思い出す小説が、ロバート・ネイサンの『夏は遠くすぎて』。
孤独な少女ジョアンナが、夏に出逢った恋人の死から再生する物語。
この本が出たのは、1976年10月。
文化出版局の<女性に贈る海外秀作シリーズ>から。

SF作家、矢野徹訳でネイサンの作品が、続けて出版されていた。
『それゆえに愛はもどる』『バーリイ村のヴァイオリン弾き』『きこりの家』『川をくだる旅』など。
前年1975年には、ハヤカワ文庫NVで『ジェニーの肖像』(井上一夫訳)が出ていた。
その後、いずれも絶版で読めなくなった。
2005年に創元推理文庫から『ジェニーの肖像』(大友香奈子訳/「それゆえに愛は戻る」併録)が刊行される。
ロバート・ネイサンの他の作品も、また読めるようになると嬉しい。


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『夏は遠くすぎて』、『それゆえに愛はもどる』

 (矢野徹訳/文化出版局,1976年刊)


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『ジェニーの肖像』(大友香奈子訳/創元推理文庫,2005年刊)

『ジェニーの肖像』 (井上一夫訳/ハヤカワ文庫NV,1990年代の新装版)

※ハヤカワ文庫版は、1975年刊のカバー画(舗道で遊んでいるジェニーの後姿)の方が好きだ。