ヒント
2006-05-31 19:45:21
タロウ 「旦那さんは……『モモが車の傷を付けていない』と主張するに足る言い分を……
何か持っていますか？」
細川ヨシヒロ 「言い分？」
首を傾げながら、しばらく考え込むヨシヒロさん……。
そして……
細川ヨシヒロ 「言い分って言われてもなぁ……。」
と頭をかく。
細川ヨシヒロ 「正直うちのネコが外で何してるかなんて……逐一わかるはずないしなぁ……。」
ごもっともである。
細川ヨシヒロ 「いやね……。」
そう言うとこう続けた……
細川ヨシヒロ 「うちのネコが『悪さをした』って言われりゃあ……とりあえず『ああすいません』って
誰でも謝るだろう？……でも、そのせいで何十万と金が掛かるなんて更に
言われたら……誰だって『え～～っ！！』ってならないか？」
今までに無い程、饒舌なヨシヒロさん。
さほどお酒が入っていない事と……随分芝田君と練習した事のあらわれだろうか？
それとも元々が人見知りする人で……随分ワタシと芝田君に慣れたからだろうか？
まぁ何が理由にせよ……思った事を伝えてくれる「今のヨシヒロさん」の方が、間違いなくやり易い。
タロウ 「まぁ……つくづくごもっともです…･･･。
でもまぁ……何か……『毎日の生活の中で』と言うか……『モモの家での様子』とかで
『原告の車に傷を付けない』と主張できる部分とか無いですかねぇ……？」
細川ヨシヒロ 「う～～～～～ん……。」
またも首をひねって考え込んでしまった。
あまりに漠然とし過ぎただろうか……
タロウ 「じゃあちなみにですが……モモの一日の行動パターンを話して頂けます？」
細川ヨシヒロ 「ん？………ああ……。」
そう言うと、ほぼ一日のモモの様子を思い出しながら話し出す。
もちろん今は外出禁止とされているモモなので……訴えられる直前の様子を話してもらう。
ふむ……。
朝はほとんどアヤノさんと同じ時刻に起きて、ドアも窓も閉まっている時は、
外に出すようにニャーニャーとせがむ。
昼頃には一旦帰宅してキャットフードをとりあえず食べる。
その後適当に昼寝か再度外出。
ヨシヒロさんが昼御飯と共に一杯始めると（既に始めている場合もあるそうだが）むっくりと起きてきて
（またはどこからか帰ってきて）ツマミやおかずのオコボレをねだる。
その後、ヨシヒロさんと一緒にゴロゴロと……。
いつオコボレが貰えるかとヒザの上でウトウトしながらゴロゴロと……。
そのまま夜に至り……ウダウダとダラダラと……寝る時はヨシヒロさん達の寝室か
今は亡きモモコちゃんの部屋のベッドの上。
ほとんど例外なく、この繰り返しらしい。
細川ヨシヒロ 「ああ……それと……。」
タロウ 「なんですか？」
細川ヨシヒロ 「これはオレが仕事してる時のクセが残っちまったものなのかもしれんがね……。」
そう言うと……
ほう……。
へぇ……。
こんな言い方は大変失礼かもしれませんが……………
タロウ 「『１０日以内に必ず一回は』って……結構マメなんですね。」
細川ヨシヒロ 「え……あ…………まぁ……。」
少し恥ずかしそうに頬をかく。
細川ヨシヒロ 「で……でだ……そのついでに必ずモモのもやってやるんだよ……。」
タロウ 「えっ！？……それってネコにしたらかなりマメマメですよ！？」
細川ヨシヒロ 「そうなのか？……オレもネコを飼うのはモモが初めてだからなぁ……。」
無知識とは……時にビックリするナイスなヒントを与えてくれる。
タロウ 「じゃあ家でモモが…………………。」
そう尋ねると平然とした顔でこう返した。
細川ヨシヒロ 「ああ……たまにやってるけど……ホームセンターで買ったアレでしか
した事がないなぁ……。」
タロウ 「じゃあ…………………。」
細川ヨシヒロ 「もちろんっ！！……壁や柱や……ましてや畳でなんて……！
やった事なんか一度もないぞ。」
コレは使えるっ！！
少なくともスペードの３を仕込む布石には出来るっ！！
タロウ 「何でも『話』って……してみるもんですねっ！！！！！」
細川ヨシヒロ 「は？」
芝田 「ほ？」
突然自信満々で言い切ったワタシの顔を……ヨシヒロさんも芝田君も鳩豆な顔で見つめると……
細川ヨシヒロ 「ああ……。」
芝田 「まぁ……。」
と頷いた。
コレと更にもう一つ……ワタシが気づいた一点を……ハートの１０と思わせる仕込みにしようじゃないかっ！！
そしてスペードの３にでもクラブの７にでも……いやいやいっそジョーカーにでも
変えてやろうじゃないかっ！！
以下次号。