戦法 | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

戦法

2006-05-08 20:09:09


芝田      「まずですね……タロウさんの裁判の訴状・答弁書・書証・判決文は、

         結構いい爆弾になると思いますよ。」

タロウ     「ふむ……。」


そう言って頂けると去年半年間、苦労した甲斐もある。


芝田      「そもそもタロウさんの裁判の時に……川畑は『総取替えしないと

         機能しません・元に戻りません』と……幌の取替え工事代金を請求してきたんでしょ?」

タロウ     「まぁ……そうだね。」


ちなみにワタシの時は、ボディーの全塗装代も含まれていたが……。


芝田      「タロウさんが前にブログで言われていたとおり……あの裁判をやった時点で……

         本人が『価値が無い』と言っているんです。」

タロウ     「やっぱり……。」

芝田      「自腹で修理をしてないわけですから……現状ゼロ円って事でしょ。」

タロウ     「そうなるわな……。」

芝田      「普通に考えて『壊れていてゼロ円のモノ』を、もう一回壊せます?」


真っ二つに割れた皿を、更に4つに割ったところで「割れてる」事には変わりないのだ。

二つに割れた時点で「皿の価値」はゼロ円だろう。


接着剤で修理の一つもしていれば、価値は幾らか戻るかもしれないが……

川畑はそんな事も一切していない様子だ。


芝田      「それと……。」


そう言って、脇においてあったマルザカヤの紙袋からワタシの準備書面を引っ張り出すと……。


芝田      「去年の7~8月の時点で、この付近にノラ・飼いネコ共に多数のネコがいる事は

         わかっている事実です。」


そう……実際今でも入れ替わり立ち代わりで、町内にネコはたくさんいる。


芝田      「もし万が一……シロクロがタロウさんのネコだとされて……幌の傷がネコのもの

         だとしたとしても……このような状況である場所に駐車しているわけですから……

         裁判所は請求額の何割という形で判決したと思うんです。」

タロウ     「そりゃ……そうだろうな……。」

芝田      「そのような状況に加えて……タロウさんの集めた新しい証拠は……。」


そう言ってニヤつくと……。


芝田      「パンチ効いてますわ……。」


とつぶやく。


芝田      「例えばこの……黒ネコが乗ってる写真……。」


ふむ……。

まだ細川さんが訴えられる前に撮った、ボロ雑巾が乗っているような写真だ。


芝田      「細川さんのネコ……モモが川畑の車に乗っている事は事実として……

         この黒ネコが川畑の車に乗っている事も事実なんです。」


そりゃそうだ……写真があるんだから……。


芝田      「この時点でモモの責任は2分の1でしょう……普通に考えて……。」


そして……


芝田      「まぁ幌の価値が100%あるとの前提でですけどね……。」


と笑って付け加える。


随分と楽観的でコチラよりな意見だ……。

なので……


タロウ     「『幌は実は前回から修理・修繕しました』『黒ネコが乗っている事実は知りませんし

         頻度が違います』なんて言われちゃったらどうするのさ?」


と川畑風の反撃を想定してぶつけてみる。


芝田      「う~~~ん……。」


一瞬悩む芝田君だが……


芝田      「このユミコさんの作った『毛まるけ』の証拠と『タバコの焦げ跡』の写真は揺ぎ無いですよ。」


と自信満々……。


芝田      「勿論、これらも主張していかなきゃ損ですわ。

         出して損な事なんて、一つもないんですから……。」


「弾」は、精鋭揃いというわけだ。


芝田      「ただ問題は……。」

タロウ     「それらの有力なブツを……細川さんが有効に使えるかって事だろ?」

芝田      「ええ……それが最重要課題です……。」

タロウ     「……………。」

芝田      「……………。」


やはりヨシヒロさんを鍛える事がなによりか……。


芝田      「とりあえずタロウさん……。

         この裁判の書類を全部……3部ずつコピーして下さいよ。」

タロウ     「え?」

芝田      「それと新しい書証・証拠も提出できるように3部ずつ……。」


自分の裁判のモノだけでも……物凄い量なんですけど……。


芝田      「裁判所にはタロウさんの事件番号『平成17年(ハ)1345』と言えば、引っ張り出して

         くれるでしょうけど……コピーして提出した方がインパクト強いでしょ。」


まぁ確かに……。


芝田      「それに原告に……負けた裁判を思い出してもらった方が、プレッシャー掛けられるでしょ。」


それも確かに……。


川畑なんて、ワタシの持っている裁判資料と同じもの一式……間違いなく持っているはずだ。

いっそ「引っ張り出して復習しとけ」とでも電話してやろうか。


芝田      「そういうところからガンガン強気で行きましょうよ。」


軽く笑ってそう言うと……少しも申し訳なさそうな雰囲気もなく……

空になったグラスをコチラに突き出す。


心の中で「おいっ!3杯目っ!!」と叫んだが……それに見合う仕事はしてくれそうだ。


タロウ     「今日は最後だぞ。」


と山盛りで注いでやる。


第一回から1日しか経っていないが……

すでに次回の裁判は始まっているのだ。



以下次号……「ハムカツとコピー」