ツッコミ---訴状--- | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

ツッコミ---訴状---

2006-04-12 15:08:01


タロウ     「旦那さん、届いた訴状を出して頂けます?」

細川ヨシヒロ 「あ……ああ……。」


脇に置いてあった茶封筒の中から書類を取り出す。

その中から黄色い複写式の訴状の写しを机に広げる。


ふむ……相変わらず汚い字だ。

ワタシの場合、こういった書類を書く時は、出来る限りキレイな字を書こうと試みるものなのだが……。


まぁ、この汚い字のお陰で「相手が川畑」だと実感できるのも事実だ。

実に不思議なものだ。


無意識に唇の端が上がる。

そしてもう一度訴状に目を通してみる。(参考:訴状)


答弁書を作るに当たって、まずやらなくてはならない事は相手の主張に対して「どう返事するか」だ。


大まかに言うと……


その事実を「知っている」「知らない」「わからない」

その事実を「認める」「認めない」「わからない」

を明確にしなくてはならない。


簡単に言うと、認めるところは認め……違うところにはツッコミを入れるのだ。


訴状をノートの横に置いて細川夫妻に聞き取りをしてみる事にする。


タロウ     「『原告は平成17年6月頃から被告住所地近隣で駐車場を賃借し車を駐車している』

         これは知ってますか?」

細川ヨシヒロ 「いや。」

タロウ     「『知らない』と……。」


そりゃそうだ。

会った事も無い他人が、どこに車を停めているかなんて知らなくて当然だ。


ノートにマルイチとして「知らない」と覚書をする。


タロウ     「『被告は同人住所地で猫を飼っており、平成17年12月頃からその猫が

         原告の自動車の上にたびたび登り、その爪で同車天井部分に傷をつけた。』

         これは?」

細川ヨシヒロ 「ネコはうちのネコですが……傷を付けたかどうかは……。」

タロウ     「『知らない』と……。」


そりゃそうだ。

そんな事、正直知ったこっちゃない。


だいたいそんなに大切なものだったら……

床の間に飾っておけ。

桐の箱に入れておけ。


もしこれが全くの野良ネコだったらどうするのだろう?

「野良ネコの管理が悪い!」とカツヲ市の保健所を訴えるのだろうか?


ケツの穴がかゆくなったら……

「炎症を起こしたのは、公衆便所に紙が無かったからだ」とでも噛み付くのだろうか?


そう考えてみると実に無謀である。

いい加減、自覚して欲しいものだ……。

心の中で呟いた。


タロウ     「『これによって原告は自動車の修理代金として599,550円の損害を被った。』は?」

細川ヨシヒロ 「……………。」


もう本当に知ったこっちゃない。

続くツッコミを書くのも面倒だ。


タロウ     「えー。とりあえず訴状に対しては全て『知らない』で良いですね。」

細川ヨシヒロ 「ええ。」


横でアヤノさんも頷く。


タロウ     「では……。」


続いて一緒に送られてきた書証に付いて聞いてみる事にする。




以下次号……「ツッコミ---添付書類---」