宮沢賢治作『春と修羅・第一集』「オホーツク挽歌」より「オホーツク挽歌」4月3日録音、編集。
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砂に刻まれたその船底の痕と
巨きな横の台木のくぼみ
それはひとつの曲った十字架だ
幾本かの小さな木片で
HELLと書きそれをLOVEとなほし
ひとつの十字架をたてることは
よくたれでもがやる技術なので
とし子がそれをならべたとき
わたくしはつめたくわらった
(貝がひときれ砂にうづもれ
白いそのふちばかり出てゐる)
やうやく乾いたばかりのこまかな砂が
この十字架の刻みのなかをながれ
いまはもうどんどん流れてゐる
海がこんなに青いのに
わたくしがまだとし子のことを考へてゐると
なぜおまへはそんなにひとりばかりの妹を
悼んでゐるかと遠いひとびとの表情が言ひ
またわたくしのなかでいふ
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答えの出ない問いを繰り返す旅
オホーツクへの旅
海面は
瑠璃色をした蘭銅鉱(アズライト)と、錆びた緑青の色。
浜辺に咲く朝顔の、黄金色の露の輝きが、
夜通し眠れずにいた私の血走った目をやすませてくれる。
(宮沢賢治作「オホーツク挽歌」より抜粋。)
https://youtube.com/watch?v=zDlt0sJjo_s&feature=share
コロナ恐し!
で、月島の朗読会が中止となり、
その後、録音機の音源(宮沢賢治の詩、童話の朗読)が壊されていた事が発覚し、
なんとも嫌な話ですが、
宮沢賢治朗読に前向きな気持ちが持てなくなって、ここのところ他の作家さんの本だけを色々と読んでいました。
そういえば、児童文学、絵本、小説、色々と読んできていたのを思い出しました。
読書メーター、始めてます。
基本、演目以外の本の感想を置いています。
本は友達
とは、石井桃子さんの言葉だったか。
結構、気に入ってます。
「nekotennperu」
久しぶりに戯曲を読んでいます。