最上キョーコ、なんとも奇妙なモノを助けてしまいました?



それは高校の授業も終わって、次なる予定であるラブミー部へでの雑用な仕事をこなすべく所属する事務所へと向かっていた途中、『たぁーすーけーてーー!』と、そんな小さな声のようなものが頭の中に聞こえた気がして思わずに立ち止まる。
不思議な事に声の主を探してキョロキョロとしていたのは私だけで、東京の道行く人々はそんな私を交通の邪魔みたいに少し眉を顰めて避けて行くだけだった。まだ微かに聞こえ続ける声を辿ると、その声は少しだけ歩道から外れたあまり手入れもされてないのか、もさっと茂った背の低い街路樹の方から聞こえているらしかったの。
なんでこんなとこから?
救援を求める声を、ここまできて無視するのもちょっと気持ち悪いし……なんて思いながら膝をついてその街路樹の下を覗き込んでみると、朽ちた蜘蛛の巣に引っかかって…………
それは、そこにいた。




私が蜘蛛の巣から助けた私の小指くらいなサイズの小さなそれ。
その姿は、ポワンと光る発光体みたいな感じで眩しくってその本体はよく見えず解らないけれど、キラキラと透き通った蝶々のような羽根で優雅に美しく宙を遊ぶみたいに飛んでいた。
まるで光の妖精のよう…………それなのに
『ほんま、おーきにやで!!ちょーっとよそ見してたら、あの蜘蛛の巣にべったべたに絡まってしもうてなぁ。助かったわ!……って、なんや嬢ちゃんそない心底がっかりしたみたいなシケた顔してぇ?』
パタパタと羽ばたく度に煌めいて七色に光る、その姿はもろに私のメルヘン心のど真ん中を撃ち抜くのに、なのに……なのに……
なんでぇぇぇ!?
そのメルヘン満開な姿を裏切るみたいな…………全開コッテコテな関西弁なのよぅぅぅ??




ドッキドキしながら助けたそれに、あなた……もしかして妖精さん?と声を掛けた私を非常なる現実に突き落とすみたいに『ぷっふぅぅぅぅー!なんや!?嬢ちゃんには……自分、妖精に見えとるんか!?そら、おもろいわ!!』なんてバリバリな関西のオジさんみたいな口調で揶揄うみたいな大笑いされちゃったんだもん……
なんか……大切な大切な夢を砕かれたみたいな気分にもなるのもしょうがなくない?
しょんぼりしてしまっていた私に、一通り大笑いして気がすんだのか……その彼は言ったのだ。



『はぁぁ……こないに笑うたのも久しぶりや。そやな。嬢ちゃんには、助けてもろたコトやし……嬢ちゃんの願い事、ひとつだけ叶えたるわ!!』



ポンっと恐ろしいほどに軽く。
見えもしないのにニヤリと笑っているのを感じさせるみたいな、まるでちょうどいい暇つぶしを見つけたと遊ぶように軽ーく。




 


その時の私は、その光る蝶々みたいな不可思議生物の彼が叶えた願い事が……
尊敬する事務所の先輩にして愚かにも抱いてしまった密かな恋心を向けているお方な敦賀さんを巻き込んで、私、最上キョーコのこの先の人生設計を捻じ曲げるみたいな……あんな事態を引き起こすだなんて、全然全くこれっぽっちも知りもしなかった訳であります。




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標準語でしゃべる大阪人な猫木による、なんともあやしい関西弁は気になさらずに。笑


まだ続きますじゃよ?な、ここ辺境の地な我が家の2周年企画的なにかの「な2がなんでも!?」に頂きました某様からのリクエスト。
ただすんなり応えるだけじゃつまらない!!



正々堂々真っ正面から不意打ちに、思いっきり捻じ曲げてこじ付けてさしあげましょうとも!!
そんな悪ふざけ満載なものになる予定にございます。
某様だもの☆きっと、大丈夫。
(σ・∀・)σ





| 壁 |д・)
大丈夫だよね?……だと、いいな。笑



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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