猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


とりあえずなにはなくとも今回は、なんとなくおめでとー!な気持ちを心の片隅に

お( ̄○ ̄;)め( ̄◇ ̄;)で( ̄△ ̄;)と( ̄0 ̄;)う( ̄ー ̄;)?

な感じのテンションでお読みくださいましー!!



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回転を止められたエンジンが唸るような震えを引いた後に、ギッ…と後輪のタイヤとコンクリートが僅かな摩擦音を立てて止まった。
オレンジがかったライトがセメントの白線の引かれた灰色の殺風景な景色を照らす、ひと気のない所属事務所の地下駐車場。
空が暗くはなったが、まだ星もないような時間。てっぺんを超える事の方が多いかもしれないスケジュールから考えれば珍しく早い時間のあがりだと言える。
ふぅっと、思わずに吐き出してしまった小さなため息。ハードな撮影があった訳でもないのに、重たい身体が革のシートに沈んでそのままへばり付いてしまいそうなそんな有り様な俺に
「蓮、キョーコちゃん、社長のとこにいるからな」
と、助手席から社さんがシートベルトを外しながら教えてくれた。
我ながらゲンキンだと思うけど、すっかり足取り軽くなってしまった俺は後部座席に置いてあった鞄を取るといそいそウキウキとエレベーターへと向かった……の、だけど
「れぇぇ〜ん?お前は、こっちな。」
そうにっこりと笑顔を浮かべた社さんが指を指したのは……エレベーターホールの横にある、社長室のある最上階へと続く階段への扉で…………
カツコツと、階段を登る俺の靴音だけが響く。
折り返しの踊り場でうんざりとするくらいに続く階段を見上げて小さくため息を吐き出した。





「ほぅ。うちの看板女優あいてにふてぇヤローだな……そんなやろーには、ペナルティーを与えてやらんとな。」


はじまりは今はロシアブームなのかルバーシカにブーツ、頭にはファズで肩からはアザラシの毛皮な衣装でにやりと笑う事務所社長のそんな一言。




「……俺は『魔獣』なお前が思わず口説いてしまうくらいに、イケメンで有望で敏腕で腕ききなスーパーマネージャーだもんなぁ〜。」
やれやれとオーバーリアクションを取りながらそう嘆いた社さんは、次に俺に宣告を降したんだ。
「よし。そんな蓮くんにもしっかりと実感出来るよーに、今日からしばらくは俺は仕事を放棄してやろう。」
ニッコリと完璧に作られた営業スマイルで、ついでにお前のこの先のスケジュール組み立てもいじり回してやるよと。
…………もう今日1日でイヤってほど社さんの優秀さを思い知りましたとも、彼の優秀さの前じゃクラッシャーなんて人外特技が霞むくらいに嫌ってほどだって骨身に沁みましたとも。
なんせ仕事がし辛い。
詰め込まれたようでいて無理のないスケジュール管理や立場上断り辛いゴリ押しな変更やかわしにくい誘いからさりげないガードといったサポートがないだけで、あんなにも疲弊するものだったのか……ひとりで現場にいる事もたまにはあるんだから大丈夫だなんて俺の思いあがりも甚だしかった。
上がり時間こそはやかったけれど、今日1日の苦労を思い出したり明日からも続くだろうそれを思い浮かべたりすると、ただでさえ重たい身体が更に重くなるような気さえする。
のそのそと階段を登る俺の肩に掛けた鞄の中からカチャカチャと硬質な物がぶつかる音。
あぁ……そうだった。
社さんに監視と時間に追われながらロケ弁と格闘してた俺の楽屋にやって来たふたりの女の子。
社さんばりのブリザードと美緒みたいにうっそりとおどろおどろしい気配を纏わせた、最上さんのラブミー部仲間な彼女たち。
カツカツと苛立ったヒール音をさせながら俺の目の前まで来たふたりはその手に持っていたものを拾えとばかりに俺の足元にぶち撒けた。
「あの子に、常に肌身離さず身に付けて場合によっては躊躇せずに使用しなさいって伝えてください。」
「とりあえず、書けたところまで。一言一句一文字足りとも見逃さずに脳髄に刻み込む勢いで熟読してください。」
琴南さんの手から落ちた防犯ブザーと電子ホイッスルに携帯型催涙スプレーにフラッシュライトからスタンガンまでありったけ手当たり次第にかき集めたような護身グッズ。
雨宮さんの手から落とされた一見なんてことのないのにべったりとおぞましい気配をさせた大学ノートが8冊。
大した重量ではないはずのそれ。
なのに、一層に鞄がずっしり重く食い込みのし掛かるみたいで肩を揺するようにしてショルダーベルトを掛け直し、次の一段へ足を運ぶ為に手すりを掴む手に力を入れた。




これを登り切った先に愛しいひとが待ってくれているのだから、駆け登ってしまいたいところだけども。
いつもトレーニングに使う負荷と比較してそう大したものじゃないなんて考えてしまっていたけど……思っていたよりずっと、きつい。
普通に立ってるだけでも腰やらあちこちに負担がくるし、なんてことのない動作でさえ動き辛かったりして思うようにいかない。
なにより、ぷくりと膨らんだ腹部のせいで次の段差どころか自分の足もとさえ見えない。
階段を走るなんて、到底無理だ。




ウエイトにして約15ポンドほど。
しっかりと手すりを掴んで、自分の身体を引き上げるように慎重に階段を登る。





その護るべき命の重さを噛みしめるように
一歩づつ、ゆっくりと。





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敦賀蓮、ご懐妊!?
ネタをくださった某まじーん様も置き去りな感じのする猫木のこの暴挙。
アワワワ((((゚ □ ゚ ) ゚ □ ゚))))アワワワ


それと……こちらをご覧くださいまし。↓

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これをアップする前のこのシリーズのリストにてございます。
このお話を投下しますと、なんと103件に☆

そう!!
一番最初の挑戦の説明と分岐点となる朝のキョーコさん視点と蓮くん視点のもの2話を除いて……


なんと、分岐した話が
カナヘイ花カナヘイうさぎカナヘイきらきら100話達成カナヘイきらきらてへぺろうさぎカナヘイびっくり


さぁ、妙な達成感と同じよーなシチュエーションの話を100って我ながらバカじゃねーの?って感情が渦巻いてますが……
自分が祝っとかないと誰も祝ってもらえそうなかったんで、むりやりにおめでとーな感じでいていてただいときました☆
(ノ*゚▽゚)ノ ウォォォォォン



記念すべき←?100話目がコレかよ!?って声が聞こえくるよーな気も致しまするが……


あっ、もう1話続く予定にございますのよ☆
どーなる?どーするぅ?
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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