とある古めなボカロ曲を聞いてての……思いつきな妄想です。
カ○ト兄さん、かっこいいんすけど……
私、友人によってはじめて聞いた曲が卑怯が輝く歌で友人解説で聞いた「必殺☆裸マフラー!」ってイメージが焼き付いてしまって……困る。笑
(´・_・`)


さー、これの妄想元の曲がわかるひとはいるのか?
ほぼ原型ないよ。笑


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シャンデリアの灯りが照らし出す石造りの広い広間、左右に並び傅く家臣達の列。奥行きのある段上には贅を尽くした大きな玉座。その上に、悠然と長い足を組み腰掛けたこの広大なるヒズリの国を統べる者。
長身でバランスよく伸びた体躯、気怠げに肘掛に置いた腕に軽く顎を乗せている。
さらりと流れる見事な金の髪をしたその男の顔には眼もとから顔を半分程に覆い隠す黒いマスク。
無機質で闇のように深い黒のマスクとその下に見える冷たい翠の瞳が、より一層に近寄り難く冷酷なイメージを醸し出している。
彼の名は、クオン。
自らの敵となる者の全て……命を狙う間者を、裏切り者を、政敵を、更には先代の王であった叔父さえをも慈悲も容赦もなく劇薬で屠り、自らのそのマスクの下の顔も毒により醜く爛れ、それなのに尚、古今東西の有らゆる劇薬を収集し、毒草のみで広大なる庭園を築く程に毒を好み、毒に狂い、毒を喰らうと噂され、『毒喰らいの皇帝』と呼ばれ恐れられていた。




そのクオンの眼前、謁見に控えるはひとりのうら若き姫君。
「アカトキが末姫のキョーコ、約定が取り結びにより御前にございます。」
鈴が鳴るような凜とした声でそう告げ、膝を折り緋色の絨毯の上にドレスのトレーンで輪を描き優雅に礼を取った……正直に表すなら何処にでもいそうな十人並みな容姿をした細身の幼さを残す少女。その衣装、色こそ婚礼に用いられる純白で細やかな刺繍が見事ではあるが、飾り立てる生花や宝石のひとつとしてなく、一国の姫君の花嫁装束と言うよりかは質素な庶民の嫁入り衣装のような有様。
極め付けには、緑の艶やかな黒髪。
乙女であるならば長く伸ばし編み花と宝石で飾り立てはすれど、長く長く降ろす筈のその髪を飾るものはなく、質素にひとつにまとめあげられていた。
「何故………我が花嫁の君は、そのように髪を降ろさずに結い上げているのか?」
戸惑いと哀れみの視線を一身に集めた花嫁に、仮面の皇帝から投げ付けられた硬い低音。
身位の高い女性ほど背中へと長く伸ばし手入れし、降ろしたゆたわせるのが世の常なものを、高貴なる女性が飾り気もなく髪をひとつに結い上げる。通常あり得ぬその髪型をする事例………それは、処刑を待つ受刑者の髪姿であった。
「わたくしのようなみすぼらしい姫を贈られては業腹でごさいましょう?この首、刎ね落とすのにお手数のなきようにと思いましたの。」
震えもない声で淡々とそう述べ、まるでさぁ今すぐここで斬り落とせというかの如く差し出すように伏せられた、その首の息をのむほどの儚き白さと細さ。
それをただ見降ろしたクオン、その唇の片側をくっと小さく釣り上げ嗤う。
重苦しい沈黙が満ちたその空間に、カツコツと靴音が響く。
玉座から立ち上がり跪き身動きひとつなく首を垂れる花嫁のもとへとゆったりと歩く、冷徹なる皇帝。
その腰に帯剣された彼の剣。騎士団の団長からのお墨付きまであるクオンの腕前。
皇帝がその鍛えられた腕を伸ばす………
これから捲き起こる惨劇への予感に、ただ息を潜め眼を逸らす人々。




「っ……きゃぁっ!」
驚き思わずに溢れたキョーコの悲鳴。
予想された赤い鮮血のイメージを覆し、優美なまでに揺れる純白のドレス。
クオンの手は剣でなくキョーコの腕を掴み、引き寄せその細腰を捕らえていた。
見開かれたキョーコの紅茶色の瞳、それを覗き込む黒色のマスクの下、眇められた深い翠の瞳。
「なるほど。我が花嫁はこの『毒喰らい』に嫁ぐよりは純潔なる死を望む、『死にたがりの姫』であられると?」
捉えた獲物を甚振るような低い声。
「それでも……約定した1年後の式を持って、君は俺のものだ。」
揶揄うようにそう告げ、キョーコの小さく震える唇を指でなぞる。
唯一キョーコを装飾する細い金の腕輪を手繰り、その花を模した飾りに唇を寄せる。





「君の祖国を……健気な君の愛を捧げる兄王のショーを護りたいならば、それまで……せいぜい、生き延びてもらうぞ?我が花嫁」





ロケットになったその花の中に入った物。
キョーコが腹違いの兄に含められ持たされた悪意。その正体を知っているかの如く、嬉しげな笑みさえ乗せて





毒喰い皇帝は、死にたがり姫との婚姻を宣告したのだった。







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こんな感じの中二病的な?ライトノベル的な?そんな物語の設定を妄想するのは楽しい。
( ´艸`)←読んで楽しかは、知らない。
こっから紆余曲折になりそうな諸々の設定もあるけど、書くとなると長くなりそうだからここで放置☆


誰ぞと読みたいって奇特な方でもいたら、そのうち書こうかしらねぃ。


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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