8463番目の拍手を叩いてくださいました、なつる様よりのリクエストにお応えしつみようと………してみたつもりのものにてございます。
とある魔王の悩みごと。の続き?的なお話となります。



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それは正に、自分の目と耳を疑うような出来事で、ほんと、なんだってこうなってしまったのだろう?



そこそこ平和に平凡に生きて来たはずなのになぁ………
訳もなく窓の外のよく晴れた空を見上げたりなんてしながら、ローブの上からキリキリ痛む胃の腑の辺りを誤魔化すように摩ってみていた。




豊かなる緑の峰が連なる山脈を自然の城塞として備える白亜の城。この世界でも指折りの大国の主城として誇るべくその頑強さと雄大な美しさ。
だけど、その中央に配置されている玉座の間は、その主の奇行により毎日その内装からなにからが目まぐるしく変化する事で有名だった。
その日、足を踏み入れたその空間は玉座の主たる国王に合わせて南方の砂漠の様相を見せていた。
どうやら本日の衣装テーマは、アラビアンであるらしい国王はまるでハレムの主人のように緋色の絨毯の上、ターバンを巻き水たばこを燻らせていた。
「れぇぇぇーん?お前、まぁた恋人ににフラれたんだって?」
「あー………はい、まぁ。」
「お前の恋は、薄っぺらい。いいか?蓮、本当の愛ってのは…」
なんて、自称愛の伝道師たる我が国のド派手な国王がく熱~く延々と語る愛に、うんざりとなった我が国の眉目秀麗な『勇者』。
その『勇者』の蓮が国王の演説から逃れるためにある日唐突に言い出した『魔王討伐』。
「ちょっと魔王と闘って来ます。」なんてまるで近所に買い物にでも行くみたいなノリで『勇者』にのみ許された『魔王』の国へひとりふらりと出て行った、そんな蓮が帰って来た。
見た事ないようなキラキラした特上の笑顔で王に謁見した蓮は言った。


「愛に目覚めたので『勇者』やめます。」


至極あっさりケロリと。
おいおい、ちょっと待て!なにがどうしてそうなった!?と、王が根掘り葉掘り聞き出してみれば………
放浪する大義名分作りでとりあえず行った『魔王』の国。そこで出会った『魔王』にひとめで恋に落ちた。
『世界の半分と引き換えに自分のものとなれ』なんて強烈に口説いてくれたのに、何故か釣れない恥ずかしがり屋な一目惚れした『魔王』に悪い虫がつかないように『門番』になろうと思うと………
そんなうちの愛が主食なラブモンスターな国王が喜びに踊り狂うような理由で『勇者』をやめた蓮。
そして、やつは言った。


「じゃ、社さん。次代の『勇者』よろしくお願いしますね。」


その背にあった国宝ものの『勇者』の証たる宝剣を俺に押し付けて。




………………いやいや、おかしいだろ!?
俺、ただの『宮廷魔術師』だよ?
『魔法使い』なわけだ。
そんな大剣とか使えないし、そもそも装備すら出来ないんだけど!!と、抵抗してみたものの………
「この国で俺の次に強いの社さんじゃないですか?それに…『戦士』の村雨くんとか『剣士』の貴島くんは、馬の骨になりそうで……」
俺、聞いちゃったんだよ。
「そうなったら叩き潰すの面倒じゃないですか?」
って、闇の国の使者みたいに低く小さく冷たく付けたされた蓮の言葉を………




そんな訳で、半ば脅されるような感じで俺は『勇者』になってしまったらしい。

 



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お話も書かずに放置してしまいまして、すみませんでした。


頭のホッチキスも取れて身体のあちこちの痛みも取れましたけど、今度は気管支がぜろぜろと鳴ってました。しんどかった。
そして、旦那さんの過保護スイッチが入っていて長時間のスマホ禁止令が出てました。スマホないとお話書けない。
(´Д` )


大丈夫、猫木は生きてますよ。
後編も書きますよ、たぶん。←まだ一文字も書いてない。



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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