猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつの番外編的なものとなっております。


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幸福な眠りから覚めた朝。
聞こえた言葉は……
拒絶の言葉だった。



腕の中に捕まえた愛しいぬくもり。
拒まれることのない甘い甘い唇。
縋るようにまわされた背中を掻く指先。
やわらかな肌を滑る汗。
俺を酔わせる高い声と湿った水音。
今までの経験なんかとは比べようなどもなく………ただ、乞いて溺れて貪った夜。



覚醒を促すように耳に落ちたのは、小さなため息。
微睡みから抜け出して見えたのは、情事の後の生々しいほどに気怠げな色気を纏った愛しい君。
シーツを巻きつけただけの背中。
浮き出た小さな肩甲骨が羽根の名残りみたいで、触れたくて抱きしめてしまいたくなって………
伸ばそうとした腕を凍りつかせた君の小さなつぶやき。


「いや……嫌なの。ダメなんです。お願いだから……これ以上………」


顔を覆い隠す白い小さな震える手。
ふるふると左右に揺らされている栗色の髪。


君を傷付けたのかと……拒絶される絶望に視界が暗く暗く塗り潰されて行くよう。
握り締めた手の中、爪先が皮膚に刺さる。
心臓が凍りつくみたいな鋭い痛みが胸を抉る。
それでも………



零れ続ける囁くような君の嫌がり拒む言葉たち。



あぁ、もう無理だ………
ずっとずっと前からわかっていた事だった筈なのに、それでもやっぱりそう深く深く思い知ってしまったんだ。


だから、怯え震え嫌がり拒み続ける彼女の背中へと手を伸ばすと胸に閉じ込めるために強引に抱き寄せた。
オロオロと慌てる君をベッドのシーツに引き倒してその身体に覆い被さるように乗り上げる。
するりとそのまるい頬を指先でなぞり下ろし、顎を捕まえて逃げらないように固定してその花びらのような唇をふさいだ。
無防備にも薄っすらと開いたままの甘い唇から、ぬるりと舌を這わして舌を絡め取って味わい擦り合わせ吸い上げる。
「んっ!………むぅ、ん」
苦しげなくぐもった声とぎゅうっと閉じらた瞼から滲む涙。
抑え込んだ顎が震えているのを感じる。



好きに蹂躙した唇を解放する。
濡れた薄茶の瞳を見下ろして、見せつけるようにくちづけで濡れた自分の唇を舌でなぞる。
左右にゆらゆらと揺れる細い首。ぱらぱらとシーツを打ちひろがる髪。
嫌がって、肩を押す手のひら。
「ほら……嫌ならもっと拒んで?そんなんじゃ、とまらないよ?」
震える愛しい君に、そう囁いて笑ってみせた。



さぁ、最後まで俺を拒んでみせて?





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久しぶりな感じのするこのシリーズ。
飴なうにて、某Tたんからおねだりされちゃー書かずにはいられない!!
って、なって書いてみたものとなっております。
(°∀°)b ←

いちおー、2本立ての予定です。
次が、限定とかになる可能性もなきにしもあらず。←一文字も書いてない。
(´Д` )



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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