何日も何日も続いた長雨。
遊びたい盛りの子ども、長く続く灰色の鬱々とした雨に室内へと閉じ込められ続けて大人しくしている事を強要されて退屈しきっていた。
やっと訪れた待ち望んだ雨上がりの日。
はしゃいで遊ぶその足元に残っていた水たまり。
びしゃっ!跳ねた先がお気に入りのピンクのワンピース。スカートに染み込んでいく泥色が冷たくて汚くて悲しくて、じわっと涙が滲んでしまった。
グスグスと鼻を鳴らす私に………彼は言ったの。
『なんだよ!めんどくせぇな!すぐ泣きやがって、だから女なんて一緒にいてもつまんねぇんだよ!!』
たまに会えたお母さんは私に笑ってくれない。
いつも忙しい大人のひとたち。
私と一緒にいてくれるのは、彼しかいなかったから………だから………………





『一番なんて言われても正直、ぞっとするぜ。だってよぉ、胸も色気も全くなし、化粧っけひとつない地味なあいつといたって男といるのと同じようなもんだよ。家政婦ってより、家政夫?』
胸の大っきなマネージャーの膝に乗った彼がそう言って笑う。
私の唇からも耐えきれぬ笑いがこぼれる。
私が………私が、ピンクの服もリボンもスカートもキラキラもふわふわもやめて、木登りや野球にサッカーだってしたのも、全部全部あんたが言ったからなのにっ!!


だから、決めたっ!!





短かった髪を明るいブラウンに染めた。
適当に入ったブランドの店で買った服とブーツ。
ジャラジャラしたアクセサリーは憎いあいつを彷彿とさせるから、シルバーのクロスをひとつだけ首から下げて。
「ん~~…んー?んんー!こんな感じかな?……こんにちは、俺の名前は京だよ?」
声色を低く調整。歌うあいつとハモるために音域を広く低く出せるようになんて………忌むべき理由で身に付けた特技。
だけど、利用できる物はなんだって利用する。
あいつに………復讐するためにっ!!




「ふぅ~~ぅ」
目の前には深々とため息を吐き、目を背けふるふると首を振る長身の男。
スゥ……と目を眇めてありありと怒りを含んだ目で睨みつけられた。
「根性だけでいつまでも事が運ぶと思うなよ……」
低い声と敵意が向けられている。
次の瞬間にはニコッと作り物みたいに笑って励まされた。あからさまに馬鹿にした感じで。
初対面から敵意を向けてくる初印象から最悪だった、この男。





住み込み働かせてもらっている店の部屋の壁に画びょうを刺す。
「復讐してやるっ!不破尚に!!ついでに、敦賀蓮も越えてやる!並べてギャフンと言わせてみせる、俺が抱かれたい男NO.1になって!!」


壁にはあのバカとあの男のポスターが二枚並んでいた。




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一応、リクエストいただいたものを目指して書いてはみたものの………………

ものすっごい、なんだこれ感。
((((;゚Д゚)))))))


後編って………いるの?
楽しいか、これ?(´Д` )?


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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