猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


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自分でも思わずに、口から飛び出たウソ八百。
だけど、真っ赤な嘘でも突き通すしか道はなし………じゃない?



混沌と困惑の朝、振り向いたそこにいらしたのはニコニコと笑う偉大なる先輩。
あろうことか彼は言ったのだ。
「最上さんの『はじめて』の責任はしっかりきっちり一生掛けて取るから、安心して?」
だなんてそんな世迷い言を。
私は、汚くてズルくてどうしようもない愚か者のまま……全然全く変われてなんてなくて……
一瞬……一瞬、思ってしまった。
敦賀さんは言った事はきっと守ろうとするはず………だから、このまま敦賀さんが言った責任を押し付けてしまえば、たぶん本当に一生敦賀さんは私といてくれるのだろうと。
ずっと、その胸に本当に恋しい『キョーコちゃん』を想ったまま、あの辛そうな顔を隠して。
そんなの……………
貴方も、私も……悲し過ぎる。




「いえ!!その必要はございません。大丈夫です。私、『はじめて』じゃありませんでしたから!」
気が付けば、私の口からそんな言葉が飛び出ていた。
そうよ!『はじめて』じゃなかったら、責任もない……のよね?
「………………誰?」
低い低い地の底を這うみたいな冷たい声。
ぞわりと戦慄く背中に冷たい汗が滲む。
恐る恐るに視線を向ければ、そこにいらっしゃったのは闇の国の仄暗いオーラを漂わせた怒れる大魔王な敦賀さんで………
ぬっと伸びてきた大きな手にガシッと肩を掴まれ、押し倒すみたいにベッドへと沈められる。
馬乗りになって私を見降ろす敦賀さんの眼は、まるで獲物を見つけたBJのように恐ろしい。
「純潔を誓っておきながら………どこの馬の骨と?」
カタカタと小刻みに震える私に低い声でそう尋ねながら、激怒を秘めた敦賀さんの顔が近付く。
「まさか……不破、だなんて言わないよな?」
「違いますっ!!」
叫ぶような勢いで否定する。
冗談じゃない!例え、嘘でもあんなヤツとなんて!!
「じゃぁ、誰?………君の相手は、誰?」
強い力で掴まれた肩の下、ベッドがギッと軋んだ音を立てていた。
相手……誰か………敦賀さんを誤魔化せるだけの信憑性があって、出来れば迷惑をかける事のない相手………………
ひとりしかいなかった。



「………ォンです」
小さく呟いた言葉を、聞き取る事が出来なかったのか敦賀さんがもう一度と目で語る。
「コーンです!……妖精のコーンが私の『はじめて』の相手です!!」
ごめんなさいっ!
コーン、私、あなたにとんでもない濡れ着をっ!!
部屋に沈黙が満ちる。
「………………いつ?」
ぽつっと投げられた問い。
まだ、尋問が続くんですか!?
「グアムで!……グアムでファーストキスと同時に初体験致しました!!」
一度吐いた嘘は取り返す事も出来ず、私は嘘を重ねるしかない。
「ふぅぅん?君は、どんな一瞬のカケラでも無かった事にはしたくない特別な1日……その日の事を、隠してたんだ?」
いつの間にか大魔王様は似非紳士へとジョブチェンジを果たし、私の肩を掴んでいた手がスルスルと弄ぶみたいに頬をなぞっている。
「いや……あの…そんな、事…報告されても……敦賀さんがお困りになるかと……」
子ネズミのシッポを捕まえた猫みたいな意地の悪そうな笑みを浮かべて私を見降ろすひとに答える声は、酷くしどろもどろしてしまっていて。
「俺には……嘘をつきたくないって言ってくれたのに?」
ひぅ!確かにそう言いましたけど………
なんだかとても追い詰められてしまっているみたいな気がする。
「ねぇ、最上さん?嘘、つくと鼻が伸びちゃうよ?」
にぃっと口角を吊り上げて笑った敦賀さんがそんな事を言ってきた。
鼻?伸びるって……ピノキオみたいに?
「あれは童話です!実際に鼻が伸びる訳ないじゃないですか!」
いつもの私のメルヘン思考をからかわれているんだと、そう思った。



「そうだね、実際に嘘をつくと鼻が伸びるんなら大変だ………俺なんかは、特にね?」



そう言った敦賀さんは、自分の手をその綺麗な顔に伸ばして………その瞳から、黒いまるいレンズを取り出して見せた。





彼は、嘘つきだ。
鼻が伸びちゃえばいいのにっ!!




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問1
コーンが初体験の相手だとキョーコちゃんに言われた時の蓮さんの気持ちを50文字以内で答えなさい。

なんてね?( ´艸`)


↓拍手コメにてリマ様からいただきましたネタ

「責任感じないように「経験あるからいいんです!大丈夫です」と嘘ついて誤魔化そうとするきょこさんと、地獄の閻魔大王と化する敦賀さん」

から、ぽちぽちと書いてみたものとなっております。
キョコちゃんが相手にあげるなら彼しかいないだろうと………笑。



明日か明後日あたりに、たぶん「白衣と首輪。」の続きあげると思いやす。
限定だよー、へん◯いだよー!
覚悟しといてねー!
( ´ ▽ ` )ノ


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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