猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつの超番外編的なものとなっております。


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全裸の抱かれたい男NO.1とハリウッドの銀幕スターが、私の寝室で………大立ち回り!?



「……貴様っ!!」
誰かの怒声と争うみたいな音で目が覚めたて………どうしてこうなってしまったのか
なんだか酷く消耗した身体と寝起きの頭には、今何が起こっているのか理解が追いつかない。
目の前には、敦賀さんの首を掴んで引き起こしその顔を殴り付けようとする敬愛する私の先生、クー・ヒズリとその先生の拳を手でなんとか受けて止めている敦賀さん。
「な……にを…っ!」
敦賀さんの喉元を掴む先生の手にギリギリと力が込めらているせいで、敦賀さんの声が掠れている。その先生の手を掴んで離そうとしとしいる敦賀さんが言ったの。
「落ち着いてっ…くださ……父さんっ!!」
………父さん?先生が?誰の?
呼ばれた先生は一瞬、そう一瞬だけ、はっとした顔をして……でも、唇を噛み締めると敦賀さんの喉を掴む手に力を入れた。
「うるさいっ!キョーコを驚かせてやろうと内緒で来日してみたら!例え………例え、お前が愛する息子でもっ!!キョーコはわたしの最愛の娘だっ!!そのキョーコの寝室でそんな酒の匂いをさせて裸で眠るお前なんぞ……ただの馬の骨だっ!!わたしには、お前を……馬の骨の排除とキョーコを保護する権利と義務があるっ!!」
愛するの息子………?誰が誰の?先生の息子さんの久遠さんは、亡くなってたんじゃ………
訳がわからないまま、軋むみたいな重い身体を起こす。
そんな私を見て、敦賀さんが慌てたように先生の手を振り解くと
「キョーコちゃん、だめ!!父さん、回れ右っ!!」
そう叫ぶと、シーツを掴んで裸のまんまだった私にぐるぐると巻きつける。
「久遠………?」
突然の号令に条件反射的に従ってしまったのだろう先生が背中で疑問符を投げる。
「例え父さんでも、キョーコちゃんの裸を見るなんて許せませんっ!!目を潰されたくなかったら、こっち見ないでください!」
巻きつけられたシーツの上からぎゅうぎゅうと巻き付くみたいな敦賀さんの腕にぎゅっと強く抱き寄せられた。
って、キョーコちゃん!?
「酒の勢いでキョーコを弄んだ……とかなら、許さん。」
先生が声を低めて背中で語る。
「当たり前でしょう!俺はキョーコちゃんを愛してます!!貴方が俺の母を愛してるのに負けないくらいに、深く強く!!」
は?……愛?………誰が?誰を??




「そうか!じゃぁ、キョーコは戸籍上も正式にわたしの娘になるんだなっ!!こうしちゃおれん、ジュリに知らせてやらないと……」
振り向いたにっこにこの先生がいそいそと携帯を取り出して電話をかけはじめてしまう。
「……ジュリ!わたしの愛しい宝石!!喜んでおくれ!キョーコが…わたしたちの愛する娘が最愛の息子と結ばれたんだ!!……そうだよ!わたしたちの娘になってくれるんだっ!!」
嬉々として電話の相手、先生の最愛の奥方様にそんな事を報告している。


「……は?……え?ちょっ…待って」


お願いだから待ってください、何がなんだか…………
ここまできてやっと、私の口から疑問がこぼれ落ちる。
「キョーコちゃんは……俺と結婚するの、嫌?」
私を抱き込んだひとが不安そうにそう聞いてくる。
私の弱い、捨てられた犬みたいなあの表情で。
「キョーコ!キョーコは、わたしの息子と……わたしたちと家族になるのが嫌なのか?」
先生が、私の顔を覗き込んでくる。
何処かで見た……いや、今現在、私を抱き締めて離さない敦賀さんとよく似た仔犬みたいな瞳で。
その先生の片手に持った携帯からは
『Oh!!キョーコ!!キョーコがわたしの娘になってくれないなんて、私の寿命はあと3分よ!!』
なんてソプラノな麗しい声が漏れ聞こえてくるし、目の前には
「キョーコちゃん、愛してる……どうしようもないくらいに。だから、俺と結婚して?」
「キョーコ……キョーコは、わたしの息子が嫌いなのか?」
なんて、縋る仔犬の顔をしたひとがふたり。
その後ろにはダンボールに入った捨て犬が、いっぱい………………



「ね…キョーコちゃん。お願いだから、頷いて?」
耳もとで響く低い声と頬にちゅっと触れたやわらかな唇。
どうやら私は、コクンと頷いてしまっていたらしい。




馬の骨扱いだった彼と増えた仔犬なその家族、そんなひとたちがこれから引き起こす騒動なんて知りもせずに。




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↓拍手コメントにてLayla様からいただきましたネタ

「キョーコから“父”として以前に部屋の鍵を受け取っていたクーがサプライズで娘に内緒で会いに来日。 早朝合鍵で部屋に入り、娘の寝室で酒くさい馬の骨発見!!「娘命」のクーは我を忘れて大激怒し敦賀蓮に飛びかかる!! その後 暫くして蓮に「父さん」と呼ばれ我に返ったクーは愛娘のキョーコの相手が自分の息子であることに気付く(←おい 笑) 大興奮のクーはジュリに電話をし、そこからヒズリ家大暴走!!キョコちゃん状況についていけてないまま あれよあれよ~~という間に結婚話が進み、気が付けばクーパパは本物のパパに!!」

より、ぽちぽちと書いてみたつもりのものとなっております。


蓮さんを馬の骨扱いするクーパパなんて考えてたのに、なんだろうねコレ?
(´Д` )

最近、アメンバーの申請メッセージで「私の知るスキビサイトの中で、たぶん一番朝のあるサイト」って言っていただきました。
我ながらそうかもしれん……とか、思ってしまうとこが恐ろしいシリーズにてございます。笑


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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