猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


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大丈夫、大丈夫。きっと大丈夫……な…筈よ!だって、お仕事!!お仕事中ですもの!!
辛うじて「京子」の顔を貼り付けながら、必死にそう言い聞かせる私の背中は嫌な汗でじったりしていた。





足元は絶対にスニーカー。ボトムスはショートパンツ。荷物は必要最低限をボディーバッグに。
ヒールやタイトスカートやハンドバッグなんて問題外で、ちゃんちゃら可笑しくて臍で茶が沸き立ってしまいそうだ。
大切なのは、即座に反応して走り出せる事。それが第一で、女として芸能人としてのお洒落なんて今は二の次だ。
何よりも機敏性を重視して身軽でなくてはいけない。
なぜなら、あの夜をなかった事にしたくて咄嗟に逃げ出したあの日の朝から、私は逃亡者となっていたから。
あの夜の記憶が風化してなんともなかったようないつもの顔が出来るまで、分刻みのスケジュールをこなす彼を避けるだけなのだから可能だと、そう思っていたのに………



あの朝、ひっそりこっそりと寝姿さえ神々しいような神の寵児がしどけなく眠るベッドから、私の自宅から抜け出した後。
その後、3日間の間に敦賀さんと鉢合わなかった事は運の悪い私にとっては、神に感謝を捧げたいくらいの僥倖だったわ………きっと、身体の痛みでまともに走る事さえ出来ないでいただろうから。
そして、あの朝から4日後、なんとか掴んだ敦賀さんのスケジュールを元に避けに避けまくっていた筈なのに、遭遇してしまった。
その瞬間の恐怖。
にこやかに微笑んでいた敦賀さんは、私を視界に納めたその瞬間に豹変した。
あの眼………あんな眼をした敦賀さんなんてはじめて見た。
あの強い眼光。それは………絶対的な捕食者の目。獲物を見るハンターみたいな目をしていたの。
蛇に睨まれたカエルみたいに竦んで動けなくなってしまった私を見て、敦賀さんはその形の良い唇を吊り上げて笑っていた。
背中をぞわぞわとした悪寒が悪い予感が駆け巡る。
だから、私は………


「おはようございまするぅぅ!!敦賀様におかれましてはご機嫌麗しゅう存じ上げます!この度のご無礼はっ、平に!平に!ご容赦をぉーーー!!」


なんてそんな自分でも何を言ってるんだかよくわからない挨拶を悲鳴として残して、力の限り走って逃げ出した。





それから、ずっと………ずっと
私は、何故かあの目をして本気で追いかけて来るあのひとからの逃避を続けていた。
だから………なんでしょうか?
今、私は酷く追い詰められた気持ちで座っている。


逃げる事の許されないこの場所で。





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この変な敦賀さんが量産されるシリーズのネタがないネタがないと、猫木が騒いでおりましたところ
「夢うつつな君」のコメントにSAILEE様よりいただきましたネタ

「やり逃げして逃げまくるキョコさんと追いまくる蓮さん」

を書いてみようと思います。


このシリーズ久しぶりの二本立ての予定でございますのよー☆
( ´ ▽ ` )ノ←続きまだ書いてない。


あ、↓拍手コメントになにやら楽しげなネタをくださいました方、ありがとうございます。ちょいとねりねり考えてみやす!
期待せずお待ちください。



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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