100点を取る良い子でいたら
尽くす家政婦になったら
いつか………いつか、愛してくれる?
あぁ、ほんとになんて愚か。




縋るような身体は大きくてがっしりとした大人の物なのに、私にはそれが母に縋り付く幼子のように思えた。
ピンと張り詰めるみたいに緊張しきっていた身体から力が抜ける。震えているのは、貴方と私のどちらだったのだろうか。
「キョーコちゃん……キョーコちゃん」
耳元で繰り返し私を呼ぶその声に涙が溢れる。
「なんで泣くの?泣いても無駄だよ。………君にあげた選択肢に拒絶は許されないんだ。俺に奪われるか……俺に堕ちるか、だよ。」
濡れた頬に添う大きな手と覗き込む黒い瞳からに逃げたくて、ぎゅっと目を閉じる。背中でぎっとベッドが軋む音がした。
「こわい………こわいの。」
子どものような声とぐずぐずと鳴る鼻。
「こわい……………俺が?」
小さな小さな掠れた冷たい声。 確かに、大魔王な敦賀さんも知らないひとのようになってしまった目の前のひとも、恐い。だけど………
ふるふると左右に首を振る。瞼は閉じたままで。
「私の想いは……いつも一方通行で報われないの。それで……そうじゃなきゃいけないの。もし、想いが返されたら……しがみついてしまう、きっと重荷になる。それなら、最初から捨て置いて。」
じくじくと傷が痛む。
「次に、伸ばした手が払われたら………捨てられたらきっと、前よりも……もっと酷く、怨んでしまう。………もう、いやなの。」
あんな風に傷付くのはもういや。
あんなに好きだったひとを怨む……そんな自分になりたくない。
だから、もう目の前のこのひとから目を瞑りたい。


そう思った瞬間に、顎を強い力で掴まれた。
「まだ、俺を疑うの?捨てる?俺がキョーコちゃんを?冗談じゃない。……捨てようとしてるのは、君の方だろ。」
地を這うような低い声が凄む。ぴりぴりと肌に感じる怒りに背中に汗が滲む。
「捨てて、逃げようとしてたのは君じゃないか。重荷?上等だ。俺はね、そんな軽い気持ちで想われたいんじゃない。俺と同じ重さで愛してほしいんだ。」
叩きつけるみたいな言葉に思わず瞼が開く。
「もし、俺が君を裏切るような事があれば、怨めばいい。そんなことがあったら、俺を殺してくれ。………世界中でたったひとり、君だけが俺を殺せる。」
脅すような、唸る獣のような低い声がする。縫い付けるみたいな強い黒い瞳。
酷く恐ろしいはずのその気配に………どこか安らいだような気持ちになった。




プツンと、張り詰めた糸が切れるように
伸ばした腕で彼の大きな背中に爪を立て
引き寄せたその耳元へ、小さく、でも確かに



彼の望んだ『告白』を告げた。





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昼間からドイツビアフェスで旦那さんとおデートして呑んだくれました。
いつも以上におかしな駄文になってる気がして申し訳ないっす。。(;°皿°)


告白。シリーズはこれにて完結かな?
なんか適当に付けたタイトル回収出来たし。笑

なにか思い付いたらオマケ的に付け足そう。夜とか朝とか蓮さんVS光君とか。(σ・∀・)σ


拍手やいいね!、コメントくださった方そしてなにより唆し隊員様に感謝を。
ありがとうございます。



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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