猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きひとつの、番外編的なやつ。


✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ



なんでこの子は信じてくれないのかな?



目が覚めた時に見えたのは、ベッドからそろりそろりと抜け出そうとする君。
起き抜けのまだ働かない頭で考えるより先に身体が動いて、君を胸に押し付けるみたいに抱え込んでた。
「置いていかないで………愛した後の朝にひとりにされるのはさみしいよ」
髪に顔を埋めれば、香る優しい彼女の香り。シーツを巻き付けただけの彼女の柔らかいあたたかさに涙が出るような幸せに満たされて、自然と口から出たのは
「愛してる」
そんなありふれた言葉。



だけど、腕の中の君はふるふると首を振ると言った。
「駄目ですよ?敦賀さん………そんな言葉は………勘違い、してしまいます。」



愛を告げて了承を得る前に、半ば強引に君をベッドに引きずり込んだ。
だって、君は俺がどんなにアピールしてもストレートに言葉で告げてさえその歪曲した恋愛拒絶思考回路であらぬ方向へと突っ走って行ってしまって男の俺とはちっとも向き合おうとしてくれなかったから………
本気で抗うことなくすんなりと身を委ねてくれた彼女に溺れている間中、ずっと愛を告げていたのに、それさえも一時の虚ろな睦言として受け止められていたのか………



「最上さん………俺は昨日、本気で最上さんを俺のものにしてしまいたくて……最上さんのものになりたかったから抱いたんだよ?」
腕の中の君を覗き込むようにして目を合わせて言った。
真っ赤に染まった頬は好意的に解釈したくなるほどのそれなんだけど………それでも君は否定を繰り返す。
「………敦賀さんが私の………なんて信じられません」
瞳を不安の色に染めた悲しい顔。
言葉で信じてもらえないのなら………


彼女を胸に抱いたまま後ろに倒れ込む。
仰向けに寝そべる俺の胸に乗せられた彼女に強請る。
「じゃぁ、信じられるように印、つけて?………見えるところ見えないところどこでもいくらでもいいよ?」
ビシリッとかたまってしまった君。
「つけ方………前に教えたよね?」
カインとセツとして過ごしたあの夜を匂わせると君の目がきょどきょどと泳ぐ。
「忘れた?もう一回、教えようか?今度は実地で………たぶん、とまらなくなるけど………いい?」
そう、聞くとぶんぶんと勢い良く頭を左右に振られた。その反応をちょっと残念に思いつつ
「じゃぁ、つけて?」
自分でも甘ったるく思える声で強請る。
おずおずと胸に寄せられた唇。


ちゅっと甘やかな音を立てて離れたそこに咲いた淡い淡い花。
その、すぐにも消えてしまいそうな薄い色合いに不満が走る。
「消えちゃいそうで、やだ。………あの時みたいにもっとわかりやすく残してよ」
あの時の様に刻み込まれたくて、噛みつけと強請って強請って脅して頼み込んで………



首筋に当たる硬い歯。
力が込められて走る痛み。
感じる湿った君の口の内側。


ぞくぞくとした戦慄が背骨から走り腰に溜まる。
噛まれるのがこんなにイイなんて………Mっ気なんてないと思ってたんだけどな。



そんな事を考えていると腹の上に乗った君が、顔を真っ赤に染めてもじもじと居心地悪そうに言う。
「あ………あ、あのその、なんか………あたってるんです、けど……」
男ですから。
「最上さんのせいだよ………責任、取ってくれる?」


あわあわと慌てて逃げようと身を捩る君を捕まえて………
上に乗った彼女にいじめてもらうのも楽しいかもしれないな……そのうちに教え込んでしまおう。
と、そんな事を計画していた。






この跡が消えてしまう前に新しい傷を強請りに行こう。ずっとずっと君のものだと刻み込まれていたいんだ。






✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ



昨日の馬鹿な吐き出しに予想外の多くのいいね!をいただきまして………どえむ蓮さん好きなの?
って、間違った方向に思考が飛んでこれができました。
( ´ ▽ ` )ノ


思考回路が吐き出しに書いたあの恐ろしい話から帰って来ないので、おとなりわんこ。の続きが書けなくて困ってます。
(´Д` )





web拍手 by FC2