パラレルですのよ。
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なんだかとっても追い詰められております。
おとなりに住んでた年下のかわいいわんこっぽい幼なじみたち。
5年ぶりに帰ってきたわんこは実は大型犬だったみたいで、頭2つ分くらい高い身長は見上げないと目が合わないし、すらっとしてるのにしっかり男の人の鍛えられた大きな身体、TVの中でも見たことないくらいかっこよくなっちゃったその子たちが………にっこりと笑顔でジリジリと迫ってくる。
その圧迫感たるや………思わず浮かべた笑顔がちょっぴりと引きつったとしてもしかたないと思うのよ?
おとなりのわんこたちは5年ぶりの再会をそれはそれはもう熱烈に喜んでくれて………「ただいま」との言葉と共に左右から同時にぽっぺにちゅーなんて事までしてくれちゃって。
そして、今、私はその『お返し』を求められているのだ。
おとなりのわんこたちは「おかえりなさい」の言葉だけではご不満な様子で、『お返しはここにだよ』とでも言わんがばかりに、その背を屈めて笑顔で頬を差し出している。
私がまごまごと戸惑っていると、眉を寄せしょんぼりと肩を落とし………
「前はしてくれてたのに………キョーコちゃんは俺たちにキスするのやなんだ?」
「おかえりのキスもくれないくらい嫌いになっちゃったの?」
と、コテンと小首を傾けるその姿はキュンとする愛らしさで、思わず
「そんなことない!」
と、言ってしまった。
(挨拶だし!!ちょっと久しぶりに会ったから………びっくりするくらいかっこよくなっちゃってるけど、わんこ!わんこだから!!わんこにキスすると思えば平気!!………よね?)
と、ドコドコとうるさい鼓動に言い聞かせて覚悟を決めて、ふたりの頬に手を添える。
ちょっぴり背のびをするようにして、久遠と蓮のほっぺにちゅっとキスをした。
唇に触れる暖かさに頭が沸騰するみたいな気がして
「おかえりなさい」
とうつむいてつぶやくように言って、くるりとふたりに背を向けて赤い顔を隠す。
なのに、ふたりの腕が後ろから伸びてきて私をぎゅーと引き寄せて
「なんで久遠のが先なの!?キョーコちゃん、もう一回!」
とか
「蓮の方が0.5秒長かった!!キョーコちゃん、俺ももう一回!」
なんて言うのだ。このわんこたちはっ!!
もう、無理っ!!と心で叫んでいると、ピンポーンと我が家のベルが鳴った。
この状況から逃げ出すチャンスだっ!と、ぱたぱたと小走りで玄関に向かうと勢いよくドアを開けた。
にゅっと伸びてきた腕に抱きしめられた。
続かないとおかしい展開になってしまった気がする。
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中身はいったい、仔犬か天然小悪魔系か腹黒い狼か獰猛なライオンなのか……はたまたそれ以外なのか、まだはっきりしないわんこたち。
ただ、欲望には忠実な感じ。(´艸`)*
猫木的には書いてて楽しいけど、ほっぺにちゅーだけで全然話進んでないのね………
いいのかしら?
やって来たのはわんこたちの最大の敵となる予定のおひと。笑