彫刻の森美術館のレポートが途中ではありますが、割り込みブログです


「今日な、うちらおよばれなんやで」

「ねたばれとちゃうで『およばれ』やで」

「なんかな大根式なんやて~」

「大根の収穫祭かなんかかな」

「ふろふき大根とか、みぞれなべとかご馳走してもらえるのかもしらんね」

「ええねえ、うち大根大好きや」


「お台所でイケメンの兄さんが料理しとるで」

「くんくん、なんか大根料理とちゃうみたいやで」





「大根式やいうとったのにな」


あのね、大根式じゃなくてダイヤモンド婚式なんだよ

ここのおうちのご夫婦が結婚して今日は60年目なんだ

そのお祝いにシェフに来てもらってご馳走作ってもらってるの


「さよか、大根式とちゃうねんね」

「結婚して60年いうのはえらいことやね」

「お二人とも元気で仲良しやねんで、60年を迎えられたいうことやね」


二人とも、80歳超えてるから、お店やさんに出かけていってごはん食べるのはけっこう大儀だからね、それで、シェフに来てもらってご馳走を作ってもらってお祝いしようってことになったんだよ

ちなみに頼んだとこは


マイシェフ


「ふんふん、そらめでたいな」

「うちら、そんなめでたい席に呼んでもろて幸せやね」

「ICOCAカードができてまだ11年やもんな」

「もっともっとがんばらなあかんな」

「60年経ったら、うちらもシェフ呼んで大根料理作ってもらおな」

「大根からまだ離れられんのかい」





「一品目は『マグロと季節の彩り野菜のタルタル、ヴィシソワーズソースを添えて』やて~」

「白菜が添えてありよるね」

「白菜とちゃうで、アンディーブいうんや」

「さよか」

「このアンディーブが、難しくてな~」

「難しいんかい」

「英語でチコリいうんやけどね、フランス語ではアンディーブいうんや」

「ふんふん」

「ぎざぎざのレタスみたいなのがあってな、それをフランス語ではチコリー、英語ではアンディーブいうんや」

「そら、むずかしいな~もぐもぐ」

「うちが能書きたれてる間に食べよったな、スイコはん」

「チコリだアンディーブだ英語だフランス語だいうてもな、もぐもぐ、ほのかにほろ苦い風味のこの野菜はうまい、いうことや」

「さよか、うちも食べたろ」


「野菜とマグロのバランス、絶品やね」

「盛り付けがきれいだから倍おいしく感じるな」

「まわりのソースもこくがあるのにくどくなくてめっちゃうまいね」

「プロの料理はちゃうね」





「二品目は『鶏とキノコのフリカッセ』や!」

「フリカッセいうのは煮込んだ料理のことやね」

「やわらかくておいしいね」

「赤いコショウがピリッとしてうまい上に、目にもうまいね」

「赤いキャベツもおいしいね」

「これ赤キャベツとちゃうで」

「さよか」

「トレビス言う野菜やねん」

「そやね、キャベツとは味違いよるね」

「トレビスはフランス語でな、生産地のイタリアの地名トレビーゾからつけたんやて」

「イコはんはいろいろようしっとるね、もぐもぐ」

「あ、全部食べたらあかんで」





「わはー3品目はペンネパスタや」

「トマト風味なんやね」

「『メカジキとケッパーのトマトソースペンネ』やて~」

「シェフとメニューの相談をしたとき最初に考えてくれはったのが『ペンネプッタネスカ』だったんやて」

「ふんふん」

「アンチョビとケッパーとオリーブのトマトソースやねんけどね、それだと、ちょっと高齢の主賓には塩味が強いんちゃうか、って相談したら、このメニューを提案してくれはったんやて」

「このパスタはやさしい味しよるね」

「ベーコンとなすのトマトソース、というのも提案してくれはったんやけど、お魚が入ったほうがめりはりあってええんじゃないか?ってこっちお願いしよったんやて」

「メニューも相談して決められるんやね」

「そや」

「そらええねえ」

「味付けの好みなんかも相談にのってくれるんやて」

「したらアレルギーのある人なんかも頼めるんやね」





「メイン料理の『豚肩ロースの塊ロースト 香草パン粉仕立て』や!」

「お肉やわらか~~~く料理してくれてはるんやね」

「お元気やけど、やっぱりあんまり歯ごたえのありよるのはお二人には食べにくいもんな」

「添えてあるサラダがしっかりした野菜の味でほんまにうまいな」

「ハーブがええにおいしよるね」

「こんな席に呼んでもらえて幸せやったね」


「みんなでこないな料理をできたてでいただこ思ったら誰か一人は作ったり盛り付けたり給仕する側にまわらんとあかんやろ」

「シェフに頼んだから、みんな席について、しかも、一番くつろげる自宅で楽しめるんやね」


「料理がおいしいからワインがめっちゃうまいな」

「さっきからワインもう3本目あけとるで」

「お店でお酒頼むとけっこうなお値段になりよるやろ」

「そやね」

「買ってきて家で飲む分にはそこそこのワイン買うてもそないでもないやろ」

「ふんふん」

「お酒飲みよるのも入れると、かなりリーズナブルなお値段なんやて」

「ふーん、おいくらなの」

「一人分4000円や」

「材料費や出張費は?」

「込みなんやで」

「そらお値打ち価格やね」


「お食事終わったから、お皿洗うの手伝おうか」

「そやね・・・ってシェフがやってくれはったで」

「わー、後かだつけもしてくらはるんや」

「そら、ありがたいなー」


「あのーシェフさん」

「shinoboシェフさんいいよるんやで」

「うちらと記念撮影してもらえますか?」





「わーい」

「おおきにー」

「ええ、記念になったな」


「ほんまおいしい料理を作っていただいておおきに」

「ご夫婦もよろこんどって、うちらもうれしかったですー」


「あとでおしえてもろたんやけどな、ここんちの台所よりももっともっとせまい台所や設備のすくないとこで料理することもあるんやて」

「なければないでなんとかするんやてな、そういうのプロフェッショナルいうかんじでかっこええな」

「うちらもな、ブログのネタがなければないでなんとかせえへんとプロとはいえんな」

「うちらネタはありよるやないか、カメノハシさんが横着して更新してくれへんのや」

「そうやったね」



・・・・すまん