次世代シーケンサー ちゃんと調べればなんかでるかも | 不良リーマンの気ままな日記 肺がん1Aから3A昇格~再発

不良リーマンの気ままな日記 肺がん1Aから3A昇格~再発

2015年7月(55歳)肺がん右上葉切除。1Aのはずが病理検査の結果3Aに昇進! 
そして、2019年10月の検査で小脳転移。

いつまで続けるかわかりませんが、皆さんのお役にたてるといいですね。それに、自分も励まされてます。

ちょっとした小ネタ。
 
EGFRもALKも変異がないと言われたオレの治療オプションはだいぶ狭くなる。 そういう人はどうすればいいのだろう?
 
英語のサイトになるが、そんなテーマで講演をしている。 2015年の9月に行われたようだ。
この動画と資料は2016年の11月まで入手できるみたい。
 
一番最初の講演はスタンフォード大学のがんセンター。 Wakelee女史(医師)。
主張は「ちゃんと調べれば治療法のある遺伝子変異がみつかる人もいるのよ」ってこと。
 
遺伝子変異の発現は人種によって違うようだ。 この講演は米国での話。 わが国ではどうなんだろう?
 
講演の聴衆に聞いた結果。転移性の比扁平上皮癌、非喫煙者、EGFRもALKも無しと通常の検査で診断された人は、次世代シーケンサーでさらに調べるべきか?
条件付きでのYESも含めると、78%の聴衆がYES!
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31人の肺がんの臨床に関わる先生方に同じ質問。

31人中、条件付きもいれると30名の先生方がYES!

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ところで、次世代シーケンサーてなに?

 

少し長くなるが、新聞の解説記事を少しだけはしょって載せてみる。

 

日本経済新聞 朝刊 日曜に考える(13ページ) 2016/4/24

 

【メディカルNOW】DNA解読「次世代シーケンサー」 体質に合った治療に道 

 

個人の体質に合った医療の実現に欠かせないのが、「次世代シーケンサー」と呼ばれるDNA解読装置の飛躍的な性能向上だ。人間のすべてのDNAを読み解くスピードが向上し、コストも10年前の1万分の1以下に下がった。同じ病気でも遺伝子の違いでタイプを分け、患者ごとに有効で副作用が少ない薬を選択できる時代になった。

 

中略

 

その後、次世代シーケンサーが登場した。2006年時点で解読コストは1000万ドル程度かかったが、現在では約1000ドルと1万分の1になった。解読時間も約2カ月から1日程度に短縮できたという。

 

中略

 

同じ病気でもヒトや進行度によって原因遺伝子が異なり、その違いによって、薬の効果や副作用の出方が異なるからだ。なかでも進んでいるのが、がんの分野だ。

 国立がん研究センターなどは300人の肝臓がん患者のゲノムを解読した。異常が起きた遺伝子で、肝臓がんを6つのタイプに分類できた。分子標的薬と呼ばれる抗がん剤を開発することにつながるという。

 

中略

 

 国立がん研究センター中央病院では1月から患者のゲノムを利用したゲノム診療を始めた。標準的ながん治療が効かなくなった患者の遺伝子を検査し、臨床試験中の薬剤の選択などに生かす

 

 

このスライド、一番意味深い。

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31人の患者さん(非喫煙者、進行非小細胞肺がん、通常の検査でEGFRもALKも検知されなかった)の検体を次世代シーケンサーにかけた結果。 
 
  • 赤色のパイ39%でEGFR、KRASなどが発見される。 分子標的薬が臨床試験中だったりして、治療オプションとなる可能性がある(米国の話)
  • オレンジ色のパイ26%でEGFR、BRAF、ALK、ROS1、RETなどが発見される。 標準治療適用となる分子標的薬がある。(米国の話)
 

 

じゃあ、生検がとれる場合、日本ではどうしたら良いのか?

オレが知ってるのはLC-SCRUMの臨床試験だけ。

http://epoc.ncc.go.jp/scrum/lc_scrum/

2017年3月に終了予定とある。 その後どうなるか不明。 

ホルマリン固定の検体は不可なので、新鮮なやつが必要のようだ。

 

仮に遺伝子変異が見つかってもEGFRやALKならいろいろ薬が使える。 一方、ROS1をはじめ、希少遺伝子変異の場合は臨床試験に参加するしかないが、いつでもオープンということではないので、敷居は高いかもしれない。

 

ちょっとテンションさがる。 

 

米国はともかく、日本ではあまり期待できないのかなぁ。