『グーグーだって猫である』 | 猫日記。

『グーグーだって猫である』

大島弓子センセイの作品は、女房と出会ってから読み始め、結局、ほとんど全作品を読んでいます。有名なのは『綿の国星』ですが、個人的には、大島センセイとサバの“実生活”を描いた「サバ・シリーズ」が好きです。
そのサバも95年にこの世を去ってしまいましたが、その後の「新たな猫たちとの出逢い」を描いているのが『グーグーだって猫である』です。


gougou

角川書店刊
(1巻は2000年7月、2巻は2002年11月発行)


このマンガは、傷心の大島センセイが、ペットショップで見かけた小さくて元気がないアメショー(グーグー)を購入するところから始まります。最近、読み返してみたときは、未熟児で生まれたという『みうママの毎日。』 の美海ちゃんもこんな感じだったのかな、と勝手に思ったものでした。


「サバ・シリーズ」では、猫が半擬人化されていましたが、この作品は猫のまま描かれていて、猫との生活における喜怒哀楽が詰まっています。その後、ケガをして弱っている激ヤセの仔猫(ビー)も保護することになるので、先住猫との愛情バランスに悩む姿も描かれていき、ウチ的には「そう、そう……」と頷きたくなる部分がかなりありました。
2巻では、ガンの手術を受けた大島センセイの入院生活(97-98年)が中心になっていきますが、「万一のことがあったときは、自分のマンションを譲るので、グーグーとピーをそのマンションで育ててほしい」と知人に頼み、実際に遺言状まで書いてしまう「猫愛」に打たれます。そして、何度か繰り返していた入院生活から開放された翌日には、人間にも伝染する皮膚病(疥癬)にかかっていて、目が見えない子(タマ)を保護します……。
すでに読んでいる人も多いと思いますが、猫のことだけではなく、いろんなことを考えさせられる素敵な作品です。
大島センセイにはお会いしたことがないのですが、一度取材をしてみたいというよりも、これからもずっとマンガを描き続けてほしいという気持ちです。