ロシア、日米と連続演習 中国の軍拡けん制
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE1E3E2E6938DE1E3E2EAE0E2E3E39F9FEAE2E2E2
2011/9/1 2:04
 ロシア太平洋艦隊が9月上旬から日本、米国と連続して合同演習する。ミサイル巡洋艦ワリャークを投入し、海上自衛隊と日本海で海難救助演習を実施。京都府舞鶴に寄港した後、米軍との演習の舞台であるグアムに向かう。ロシアは台頭する中国をにらみ、安全保障面で日米との関係強化を狙う。

 ロシアが日米と連続して演習するのは異例。米海軍との軍事演習にあわせ、ロシア側が日本に人道的な訓練の実施を働きかけた。日米との一連の演習について、ロシア政府高官は「日米ロ3カ国による安全保障の枠組みを構築する足がかりとしたい」と言明した。

 ロシア艦は9月上旬に極東ウラジオストクを出港、日本との演習を経て、米海軍との洋上演習「パシフィック・イーグル2011」を実施する。カナダのバンクーバーにも寄港する予定で、津軽海峡を通過して12月にウラジオに帰還する計画という。ロシアには太平洋国家としての存在感をアピールする狙いもある。

 ロシアは8月、北朝鮮と9年ぶりの首脳会談を実施するなど、アジアへの関与を強めている。背景には軍事面で台頭する中国への警戒感があり、アジア太平洋地域では日米との関係強化に動いている。日ロ関係はロシア政権幹部の北方領土訪問などで悪化したが、東日本大震災後にロシアはエネルギー協力などを打ち出し、日本への接近を図っている。

 米ロが太平洋上で軍事演習を実施するのは06年のマーシャル諸島沖以来。08年のグルジア紛争などで緊張した米ロ関係はオバマ米政権発足後は改善し、軍事交流も活発になっている。ロシアは海上自衛隊と08年に舞鶴で同様の訓練を実施している。

 うーん、日露・米露合同演習ですか。なんというか、隔世の感がありますね。背景に中国の台頭があるとはいえ、やはり時代は変わったんだなぁと思います。
 ロシアとは北方領土を巡る遺恨はあるものの、アジア地域における中国の膨張政策に対抗しなければいけないという点では立場を同じくしますし、上手いこと立ち回って安全保障の実を掴むことを、新政権には期待したいところです。国内的にも国外的にも、党内闘争してるような余裕は今の日本にないこと、そろそろ自覚して欲しいものです。

 さて、ロシアにとって日本列島というのは、それこそ帝政時代から太平洋への進出を阻む障壁だったわけですが、ソ連崩壊からロシアへと国勢が縮小し、それに替わるかのように中国が台頭することによって、逆に中国に対する防壁として機能し始めてきました。
 そんな時期に鳩山政権がアジア志向を言い出し、対米関係をないがしろにして日米同盟を揺るがせていたのは、ロシアにとっても生きた心地しなかったというのは大げさにしろ、かなり慌てたんじゃないですかね?
 ただでさえシベリア地域が中国からの移民が多くなってきてる上に、日本海が日米海軍の妨害無しにフリーパスとなると、極東戦略を根底から組み替える必要ありますし。
 こうした、地政学なんて難しい話を紐解かなくとも、地図さえ見れば自国が地域に占める役割とか理解できる筈なんですが、どーもそういう発想が現政権に欠けてるのが頭の痛いところ。


 この日露合同演習が政府から出た発想ならいいんですけど、防衛省や外務省からの発案に乗っかっただけなんですかねぇ……まあ、それならそれでいいんですけど、独自にまともな外交・安全保障政策を定められないのであれば、政治主導なんて口にしないでいて貰いたいものです。


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