ねじまき鴎クロニクル #chibalotte -5ページ目

開幕4連勝に寄せての巻

60年ぶりの開幕4連勝。そして今日はスポニチ、サンスポ2紙の1面を飾るなど、こんな展開をマリーンズファンでなくとも一体誰が予想したでしょうか。
春の嵐に春の珍事。本当に春ってえのは何が起きるかわかりません。

そんなわけで、只今有頂天のさらに絶頂にいる我らマリーンズファンであります。まだたったの4試合を終えたばかりではありますが、このまま今日の天気のようなスカッとしたシーズンが続くことを昨季悪夢を見たマリーンズファンとしては祈らずにはいられないのであります。

この好調を陰に陽に支えているのは安定した投手陣に他なりません。
先発の成瀬、唐川(は内容は良くなかったけど)、藤岡、セス様全員に勝ち星が付く充実ぶり。あとは裏ローテのペン、俊介がどこまで、という不安は付きまといますが、とりあえず先発陣に関してはそれなりに駒が揃ったと言えます。
そして、この連勝の立役者の一人と言ってもいい、新人益田の活躍が光ります。
オープン戦を通していまだ対外試合で失点なしとは、なんという安定感でしょう。コントロールにも破綻がなく、スライダーのキレも良し。さすが栄光のマリーンズドラ4です。
さらには、中後が2戦目に鮮烈すぎるデビューを果たし、薮田も2戦目以降は安定。ここに、伊藤、荻野、内が戻ってきたら中継ぎ陣までが盤石に? 

どうしよう、優勝しちゃう! なんて浮かれてばかりはいられないのが、長く暗黒時代を見てきたマリーンズファンの性というもの。そうは問屋が卸さないことは十分すぎるくらい分かっているのであります。

まず、抑えの薮田が一年通してこの状態を維持できるかは不透明です。今年39歳の年齢を考えれば夏以降も万全の状態で、という方が酷かもしれません。
今は好投している益田、中後も長いシーズンは人生初の体験だし、内に至っては復帰の目途さえ全く立っていません。
さらに、今のところ好調とはいえ、昨季のウィークポイントだった打撃陣に大きな入れ代わりはなく、あの悪名高き見殺し打線がいつ頭をもたげるとも限りません。好投する先発投手が心で泣きながら野手陣をかばう姿を一体どれだけ見てきたことか!

この好調を維持していくためには、やはりフレッシュな新戦力の台頭が不可欠なのではないでしょうか。

今年はなにげに浦和も好調で現在イースタン首位! 好調浦和打線を支える角中、細谷。彼らの出番はそう遠くない未来にやって来るはずです。それまで、胸を張ってマリンのグランドに立てるように、2軍でしっかり結果を出し続けていただきたいものです。

祝・2012開幕(の前夜)の巻

三月も終わりというのにまだまだ寒い日が続いていますが、しかし、それでも長い長い冬という季節は確実に過ぎていこうとしています。
そう、ようやく野球の季節の始まりなのです。
野球のない季節のなんと味気ないことか。いっそのこと、温暖化が進んで日本でもウィンターリーグができるくらいになれば良いのにと思う僕は野球原理主義者でしょうか。

毎年のことではありますが、明日宮城球場で始まる開幕戦を前に、もう居ても立っても居られないわけであります。初めての子供が生まれる前夜の父親とはこんな気分なのかと、独身貴族の僕は想像したりもします。たぶん違うんでしょうけども。

で、今夜は胸がドキドキしてなかなか眠れそうにもないので、二年ぶりの日本一奪還に向けての我らがマリーンズの課題について考えたいと思います。

①懸案のショートは固定できるのか?
昨年はスピードスターの抜けた穴をどうしても埋めることができないままシーズンが終わってしまいました。
今年はオープン戦絶好調の根元が頭一つ抜けている状態で、開幕戦も2番遊撃でのスタメンが濃厚ですが、それでもショートでフル出場させるには守備面での不安が残ります。守備固め、あるいは打撃の調子が下がってきた時の為のリザーブは絶対に必要でしょう。二軍で好調な細谷、新人の鈴木大地あたりが頭角を現すくらいでなくては、長いシーズンで上位争いをするにはキツイかもしれません。

②4番はホワイトセルで安泰か?
正直、シーズン終盤までホワイトセルが4番を張り続けているようでは優勝争いなど夢のまた夢と考えます。四球が少なく、三振が多い4番は投手にとって最も組しやすい相手。駒田臨時コーチの教えを胸に、大松が華麗な復活を遂げ4番に収まるというのが最善のシナリオでしょう。今シーズンは大松のバットがチームの浮沈を握っていると考えます。

③先発陣は安泰か?
オープン戦や今日の2軍での投手起用を見るに、首脳陣は成瀬唐川藤岡に続く先発として渡辺俊介、グライシンガーとペンを想定しているようです。ここに、リザーブとして小野、上野、大谷が控えているので先発に関してはとりあえず破綻がないと見て良いでしょう。ローテーションの主軸が抜けた日ハム、楽天、ソフトバンクあたりとは十二分に渡り合える布陣ではないでしょうか。

④リリーフ陣は安泰か?
オープン戦でのロサの乱調が気になると言えばなりますが、まあ、春先の外人なんてこんなもの。暖かくなれば本来の力を出すんじゃないかと考えます。加えて、伊藤に新人の中後と益田が今のところ目途が立ちそう。ただ、伊藤ちゃんの勤続疲労、中郷、松本、前記の新人二人の実績の無さは大きな不安要素です。荻野、内あたりの怪我が癒えれば心強いものの、それもいつのことになるかは不透明。さらに抑えの薮田は年齢的に一年持つか相当疑問です。
やはり、一年通して良い戦いをするには、目の覚めるような大胆な用兵も時として必要になると考えます。例えば、沖縄方面出身のあの人を抑えに大抜擢するとか。。ダメですかね・・・?

⑤藤岡君は新人王クラスの活躍ができるか?
オープン戦での投球を見るに、常識的な援護さえあれば軽く二桁は行くクラスの投手だと考えます。ストレートの切れ良し、変化球の球種、制球共に良し、フィールディング、スタミナにも不安なしと欠点を見つけるほうが難しいとさえ言えるかもしれません。
しかし、そんなに甘くないのがプロの世界であり、ロッテ野球なのです。千葉名物の見殺し打線を甘く見てはいけません。たとえ援護がなくても表情一つ変えず淡々と自分の仕事を全うする、大人のメンタルを持てるかどうかが藤岡君の新人王への最短切符かもしれません。
加えて、オープン戦での投球を見ていて感じたのは、欠点がないところが逆に欠点になりえるのではないかということ。捕手のリード次第ということもありますが、どうも投球が優等生過ぎるきらいがあります。制球が良い故に狙い球を絞られやすいという成瀬と同じ罠に陥るかもしれません。大人のメンタルを持ちながら、時には相手を力でねじ伏せるような荒々しい一面も持って欲しいものです。

⑥ズバリ、優勝争いは可能か?
世間の野球評論家たちによる下馬評は当然低いでしょう。確かに、昨年最下位に終わったチームが目立った補強をしていないわけですから至極当然な結論といえます。しかし、今季はそんなに悲観的でしょうか?
まず、生え抜きの元選手会長がチームに復帰したことは数字以上のプラスでしょう。さらに、根元の打撃開花、清田、大松ら昨年苦汁をなめた選手の奮起次第では得点力は昨年より向上するでしょうし、今のところ野手陣には目立った故障者が出ていません。
昨年のようにシーズン中に故障者が重なる不幸さえなければそれなりに戦えると思います。というより、そう思わなければやってらんないです。
あとは、2軍で結果を出している角中、細谷などフレッシュな新戦力が台頭すれば十分夢のあるシーズンになると思います。


明日は、大の鬼門宮城球場でしかも天敵田中まさおが先発。相当苦しい戦いになること必至ですが、田中だって鬼じゃなし人の子。つけ入る隙が全くないわけではないはず。
一年の計は開幕戦にあり! とにかく良い試合が見られるよう、今夜は柏手を打って寝たいと思います。
パンッ!!

ストーブリーグまだぁ? の巻

「このチームが良いね」と君が言ったから
10月27日は藤岡記念日

と俵万智が情感を込めて詠みあげた、あのドラフト会議から1月が経ちました。
日本シリーズ、アジアシリーズも終わり師走の声も聞こえるオフシーズン真っ只中です。
FA選手の交渉が本格化するのももうすぐ。
そろそろ各チームとも来季へ向けての補強が本格的に始まります。

来季の巻き返しに向けて我らがマリーンズの補強も待ったなしのはずですが
今のところ聞こえてくるのはトンチの利かない大岡裁きのようなコーチ人事の発表と
毎年のことではありますがFA戦線からの撤退宣言のみ。
北風も冷たさを増すこの季節
補強という意味ではどうにもロマンがないと言わざるをえません。

しかし、フロントも一新した今年のマリーンズのオフシーズン。
例年にはなかったサプライズ補強が僕らの胸を焦がすという妄想を抱えながら
今後の補強の展望を見ていきたいと思います。

で、まずは10年以上ぶりの最下位という残念なシーズンのせめてもの報いといえる
先日の奇跡のようなドラフトの結果から見ていきたいと思います。

1位:  藤岡貴裕  投手  東洋大

2位:  中後悠平  投手  近大

3位:  鈴木大地  内野手  東洋大

4位:  益田直也  投手  関西国際大


近年稀にみる素晴らしい指名でした。

格のない左腕を開幕投手にして王さんに怒られて以来、

宿命のようにマリーンズにのしかかっていた

左腕不足という十字架から解き放たれる時が、ついにやって来るのかもしれません。

まず、藤岡君を引き当てた西村監督は

もうこれだけでマリーンズにおける最高の仕事をしたと言っても過言ではありません。

「歴史に残る大投手」という某ドラフト誌の評はやや時期尚早としても

「左のマー君」になれるようなポテンシャルを十分に持った投手とは言えると思います。

そして、抽選直後に記者会見で見せた藤岡君の涙は

入団前から我らマリーンズファンに爽やかな感動を与えました。

あの涙を来季は胴上げのマリンスタジアムでもう一度見せてほしいものです。


そして、2位の中後君指名も素晴らしかった。

2位で残っていたこと自体が僥倖の一言に尽きますが

結果的に目玉クラスの左腕を一度に二人指名できたわけですから

左腕不足が一気に解消に向かうとみてもいいでしょう。

中後君には和製ジェフ・ウィリアムスを目指してまずはリリーフから頑張っていただきたい。


そして、指名順が最後だった3位でバサロ鈴木大地を指名。

正直、オリックススカウトの安達と縞田に対する評価が異常に高かったおかげで

鈴木がこの順位まで残ったことは本当にラッキーなことでした。

勝負強い打撃と正確なスローイングが売りの内野手。

将来的にはセカンドかなという気もしないではありませんが

ショートの穴が埋まっていないマリーンズでは1年目から十分にチャンスがあります。

当然春から一軍キャンプに呼ばれるでしょうからガンガンアピールしていただきたい。


4位の益田は正直動いているところを見たことがありませんが

ストレートが持ち味とのこと。

不足気味の中継ぎ陣に割って入って来れれば面白いですね。



しかし、返す返すも素晴らしいドラフトでした。

新人選手全員が即戦力とはいかないでしょうが、将来に向けた厚い補強ができたドラフトでした。

若手・ドラフトオタとしては何度結果を見返してもそれだけでお酒が飲めます。

そして、シーズンはアレでしたが、今年いっぱいはどこか勝った気でいられそうです。

ドラフトマンセー!


蛇足:

神奈川県方面のあのチームもある意味すごい指名でした。

ヤケクソという言葉では表現しきれない狂気のようなものさえ感じました。

浜ファンは今どういう心境でドラフトを振り返っているんだろう。