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旋棍に見捨てられた弱すぎる○○使いク○ハの残念無念えくすとら

「旋棍に見捨てられた弱すぎる○○使いク○ハの残念無念」で過去に音色が公開した記事の再UPですー^^

こんばんはー^^音色ですー^^
今日は絵本みたいな感じの昔話を本編ネタ無しでお届けしますー^^

つまらないかもしれませんけど、暇つぶしにご覧くださいー^^

では、はじまりはじまりー^^








































 「祈祷師と願い」 

                        著者:音色.汝南


むかしむかし、あるところに祈祷師の女の子がいました。
祈祷師は毎日街や村へ出向いては、雨を降らせるお祈りをしていました。

$残念無念な弱すぎる〇〇使いクラハと愉快な桜吹雪の仲間たち

当時、国中で大干ばつに見舞われ、年貢を納める事はおろか
飢えに耐え切れず亡くなる人が後を絶ちませんでした。

人々は恵みの雨が降る事を願わずにいられなかったそうな。

そんなある日の事、祈祷師が仕事を終え
宿に向っていた時の事です。

杖を持つ手の甲に水滴がぽつりと当たりました。
雨です。

祈祷師は雨を喜ぶ街中の歓声を聞いてとても嬉しくなりました。

そしてさらに街道を進んでいくと広場の中央に雨ざらしのまま
一匹の猫がぽつんと座っていました。

祈祷師はその様子をとても不思議に思いましたが
自分が降らせた雨で濡れてしまう事を不憫に思い
猫を脇の下に置いて雨から守ってあげるように座りました。

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それでも猫はさっきから
ただただずっと一点を見つめています。
















祈祷師はなんとなくその方向に目をやりました。






























すると、民家の壁に見た事もない何かがへばりついていました。































妖怪です。















祈祷師は一瞬、ドキッとしました。
でも不思議です。見ていても怖くなく、逆にとても温かい気持ちになりました。

妖怪さんはこちらが見ている事に気がつくと
ゆっくり家の壁を降りて祈祷師に向かってきました。

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そして妖怪さんは言いました。

「オマエ ナニシテル?」

祈祷師は微笑んで答えました。

「私のせいで猫ちゃんが雨に濡れちゃっているので
 屋根になってあげていましてー^^」


もう一度妖怪さんは言いました。

「ソウカ・・・
 オマエ カゼ ヒクゾ?」


祈祷師はちょっと悩んだ後に答えました。

「うーん。。。そうかもしれませんねー^^
 でもこの猫ちゃん。。。
 ここを動かないのでダメですよー^^」


妖怪さんはにこっと笑って言いました。




















「アメ ヤメバ イイカ?」























妖怪さんが両腕を広げた途端、ぴたりと雨が止みました。

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祈祷師は途方に暮れてつぶやきました。

「どうしよう。。。
 雨が降んだら街中の人が困っちゃう。。。」


その様子を見て、妖怪さんは言いました。




























「ソウカ・・・
 アメ フレバ イイカ。」


また妖怪さんが両腕を広げた途端、今度は雨が降り出しました。

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祈祷師はその様子にしばし呆然としました。

妖怪さんは得意げに言いました。

「ボク ヤク タッタカ?」

我に返った祈祷師は妖怪さんの力と素直さにとても驚き、言いました。

「よ、妖怪さんは人の役に立ちたいのでしょうかー^^
 でしたら、もっと役に立てる場所に案内してあげますよー^^」


妖怪さんは嬉しそうに答えました。

「ホントカ? ヨカッタ。」

その後、祈祷師は妖怪さんと共に西の地に訪れては雨を降らせ
東の地に訪れては雨を降らせ、人々を大いに喜ばせました。


















旅をしてしばらくたってからの事、
祈祷師は妖怪さんの姿が少し薄くなっている事に気がつきました。


















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祈祷師は心配して言いました。

「不思議な力の使いすぎでしょうかー。。。
 大丈夫でしょうかねー。。。」


妖怪さんは笑いながら言いました。

「ヒト ネガッタ ボク ウマレタ。
 ダカラ コレデ イイ。」


祈祷師は妖怪さんのそのまっすぐな気持ちに何も言い返す事は出来ませんでした。

妖力に限りがある事を知った
祈祷師は自分の力はでどうする事もできない時だけ
妖怪さんの力を借りる事に決めました。

























しかし、それからすぐの事でした。

































うわさを聞きつけた国の偉い人が、祈祷師と妖怪さんを捕まえてしまいました。

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偉い人が妖怪さんに言います。

「この土地にもっともっとたくさんの雨をふらせるのだ。
 それが出来なければ、この祈祷師を痛い目にあわせるぞ?」


少しの沈黙の後、妖怪さんは言いました。

「キトウシサンノ ヤク タチタイ。
 ダカラ アメ フラセル。」


祈祷師は泣きながら叫びました。

「や、やめて!!!!」

しかし、妖怪さんのまっすぐな気持ちを変える事は出来ませんでした。

偉い人が急かすように言います。

「さあ、雨を降らせるんだ。」

妖怪さんは雨を降らせてみせました。

偉い人は目を輝かせて言いました。

「おお、恵みの雨だ。もっと、もっと降らせるのだ。」

妖怪さんは頑張ってもっと、もっと雨を降らせました。










祈祷師はみるみる薄くなっていく妖怪さんの姿を見て不安になりました。




























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するとそこへ一人の兵士が飛び込んできました。












































「大変です!!近隣で大洪水が発生し、村ひとつが押し流されました!!」








































偉い人は顔を赤くして震えながら言いました。

「ぬぬぬ・・・。火照りの最中に大洪水をおこすとはこのバケモノめ。
 さっさとこやつを退治してしまうのだ!!」


祈祷師は自分勝手な偉い人に悲痛な表情を浮かべて言いました。

「あなたが・・・あなたが願った事なのに、何で妖怪さんが退治されなくてはいけないの?
お願いだからやめて!!」


偉い人はさらに大きな声で言いました。

 「うるさい!この小娘め!!
 お前もバケモノを退治した後に始末してやる。」
 


祈祷師の願った事は叶いませんでした。



次の瞬間・・・





























偉い人に命令された兵士は妖怪さんを剣で斬りつけ
倒してしまいました。



























祈祷師は目の前で起ったことがとても信じられず、頭の中が真っ白になりました。

するとどこかからともなく、妖怪さんの声が聞こえてきました。









































「ゴメン。。。 ボク ワルイ。。。

 アメ フラセテハ イケナカッタ。

 ダカラ コワサレタ。。。」






















「サイゴノ チカラ ツカッテ。。。

 アメ フラセナイ ヨウニ 
スル!! 」

妖怪さんは最後の力を振り絞って立ち上がり、両腕を広げました。




























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すると空にあった雨雲は散り散りになりました。

それと同時に妖怪さんの姿も消えてなくなりました。




























「タノシカッタ・・・ バイバイ・・・」






















妖怪さんはそう言い残しましたが、祈祷師さんの耳に届く事はありませんでした。

























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「イ・・・イヤァァァァアアアア!!!」

祈祷師はあまりの悲しさに泣き崩れました。




















続けて偉い人は言いました。

「残るはバケモノを操るこやつのみだ。
 厄災の元凶もろとも斬り捨ててしまうのだ!!」


兵士が偉い人の命令どおり剣を振り上げたようとしたその時・・・






































!!!!


という、大きな音と共に何かが近づいてくるのが分かりました。



































鉄砲水です。

鉄砲水はまたたくまに偉い人や兵士、祈祷師をも飲み込み、押し流していきました。

祈祷師は妖怪さんに助けられたのです。
























それからというもの、偉い人が治めていた土地は一切雨が降らなくなり
やがて、人の住むことの出来ない砂漠となってしまいました。

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祈祷師は妖怪さんを供養する為、その後およそ20年もの旅をしました。

























その旅もようやく終え、祈祷師は故郷に近い山の峠まで帰ってきました。




















杖を持つ手の甲に水滴がぽつりと当たりました。
雨です。































祈祷師は立ち止まって、天を仰ぎました。

































天から降り注ぐ透明なたくさんの雨粒を見てにこりと笑い
そして再び故郷へと歩み始めました。








































そんな祈祷師を遠くの崖からにこりと笑い、見守っていた者もいました。































$残念無念な弱すぎる〇〇使いクラハと愉快な桜吹雪の仲間たち

「キトウシサン イッパイ イッパイ 

 ネガッテ クレタ・・・

 ダカラ マタ ウマレタ。」



























この山を源流とする川は豊富な栄養を含んだ
土を祈祷師の故郷へと送り届け、祈祷師とその故郷の人々は
一切食べるものに不自由する事なく幸せに暮らしたとさ。


$残念無念な弱すぎる〇〇使いクラハと愉快な桜吹雪の仲間たち


祈祷師が住んでいた地方では
天候を司るこの妖怪を護尾(ごび)と名づけ
守り神としていつまでも大切に祀ったそうな。


おしまいおしまい。

































~あとがき~

最後までお読みいただいてありがとうございます。

人々の願いから生まれ、使命を全うするためにただ純粋に力を振るう
妖怪さんとその力を利用した祈祷師と偉い人のお話でした♪

この物語を通して筆者が伝えたかったテーマは・・・内緒です♪
皆さんそれぞれの解釈で読み取って頂いて問題ないですよー^^

ではでは、またですー^^

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