被写体~それは真偽 【弐】 | 晴侍と雨女…時々猫

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この街は……変化し続ける。
留まる事を知らない街。
同じことを嫌う街。

何が良いのか何が悪いのかそれすらも変化し続ける。

そんな街で俺はとある罪で拘留された。
変化を留めてしまった罪。

変化が良い事だとは決まっていない。
留まる事が悪い事だとも決まっていない。

ただ、俺の罪は他の罪人とは少し違う……

崩れきったコンクリートの街を後にして、俺が今度連れてこられたのは、現在の拠点の1つ前にあった拠点の街の片隅。

「入れ」

「……今度はココかい?」

「黙れ」

俺が罪人になってから俺が住まいを変わらされたのはコレで何回目か……
この街では罪人を捌く事ができずに居る。
故に、罪人は決められたその場所で監視下の元過ごす事になっていた。

変わることが良い結果を生み出すわけではないと言う1つの事例。
だが、人々は変わることに必死でそれに気づきもしない。

与えられた何も無い殺風景な部屋で唯一ある布団に倒れこんだ。

「で、見つけられたか?」

「……んなわけないでしょ」

俺の答えはいつも同じ。
当然だ、俺にどうにかできる問題じゃない。

「今度は1ヵ月後だ」

「ふぅ~アンタ等も大変だね」

布団に倒れこみながら俺はシャッターを切る。
そうすればコイツらは否が応でもこの場から消えてくれるんだ。

留まる事を嫌うコイツ等は……
フィルム写真を嫌う。

変えることの出来ない自分を嫌う。
年をとることさえも変化として喜ぶコイツ等は変わらぬことを恐れるようになったのだ。


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