女ミュージシャンの宿命と思いたくない。 | ネガ目な眼鏡

女ミュージシャンの宿命と思いたくない。

長い付き合いの方なら知っての通り、俺は以前女性ヴォーカルバンドをやってたり小柳さんのバックで演奏したりしてたわけです。メンバーに女性がいると、ライブをやってて必ず思うことがあった。
ライブの常連になっていくお客さんのカメラ小僧や中年男性を見て「歌聞きに来てんじゃなくて写真撮りにきてんじゃないの?若い女の子が笑顔で話し掛けてくれるの楽しみで来てんじゃないの?」と思って仕方なかった。それでも「まだ音楽にその理由を超える説得力がないからだ」と言い聞かせて頑張ってるとこはあったけど。
そりゃ音楽の面で女性メンバーほど目立てないのは仕方ないさ。バンドは本来男性のやるものという既成概念があるからね。音楽には目立たなくても必要な役割があるからそれをやれりゃいい。
でも、下心が目的で見られたら俺らなんか要らないしね。そもそも一番傷付くのはその女性メンバーだ。本末転倒とはまさにこの事。
その辺にうんざりしながら、俺は最近も友達の女ミュージシャンのライブに行ったりする。友達が出るなら、ガールズバンドイベントだとか女性ソロ弾き語りイベントだとかに足を運ぶこともある(最近は減ったけど)
しかし、正直言って憂鬱だ。こういうイベントにはカメラ小僧が必ずいる。そいつらのせいで集中して見れないし、友達以外がどんなにいい人出ててもカメラ小僧の印象が消えない。
以前、友人のガールズバンドが写真撮影NGにした事があった。それでもお客さんは減らなかったそうで、ライブでは音楽にノって盛り上がってた。ここまで来てようやく本当のファンだよなと思う。
「こっちは金払ってんだよ!どう楽しもうがこっちの勝手じゃないか!」と言われたらそれまでだけどね。でもレストランにご飯食べに行って記者でもないのにウェイトレスの写真撮る奴なんかいないでしょ。それと同じくらい、マナーがない気がするけどなあ。
その手のカメラ小僧はAKBが一般に普及した最近、一気に増えた気がする。中にはカモフラージュなのか何なのか「俺は色んな音楽聞いてるから音楽ってもんを知ってるよ」的な口調の奴もいるんだよな。ハコがどうだPAがどうだ…ただでさえそういう奴は好きになれないけど、カメラまで持たれた日にはもう割りたくなる。
正直ね、一部を除いたら女ミュージシャンもそういう人に好かれたくて音楽やってるんじゃないよね。むしろターゲットは同世代の女性。同世代の女性にしたって、「あ、いい音楽やってるな」と思ってもカメラ小僧が客席を陣取ってたら、ファンにはならないと思うんだよね。というか、なれないと思う。やっぱイメージってそれだけで変わるし。
それでもミュージシャンが「やめて下さい」となかなか言えないのは、そんなお客さんでもノルマ売上に利用できるからだよね。だからチケットフリーな路上ライブとかしか来ずにバチバチ撮ってる不届き者はいっちばん許せん!かぜまちで去年路上やった時にもいたねそういう奴等。
あいつらは素晴らしい女性ミュージシャンのあくまで足手まといであって、宿命ではないと信じたい。

全員男のバンドだと、全くそのしがらみがないから楽でいい。まあ、イケメンバンドとかだと同じ事が起こるんだろうけどね。ん?いや、うちもイケメンだけどね。一人だけ。
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