私が初めてトラと出会ったのは5年前。
猫相談である地域を訪れた際の帰り道でした。
見に行くと廃業になった牛小屋にトラの他に2匹の猫が暮らしていました。
近くで畑仕事をしている方に話を聞くと
小屋の持ち主のご主人が可愛がっていた猫で
そのご主人が亡くなってしまい
それからもずっとご主人を待っているかのように
住み着いているとの事でした。
畑に来る方や、ご主人を知る方が
時々餌をあげに来ているようでしたが
お腹が空いているのか
私があげたご飯を必死に食べていたのを覚えています。
それから私は小屋の猫のことが気になってしまい
避妊去勢手術をして餌やりに通う様になりました。
初めて会った時からトラは若くなくシニアの風貌でしたが
私が餌やりに行くと車の音を聞きつけて
元気に走って寄って来てくれました。
それから月日は経ち、5年の間にトラは耳も遠くなり、
走る速さもだんだんゆっくりになり
ついには歩くのも弱々しくなっていきました。
最後は家での看取りも考えましたが
仲良しのキジ猫が弱ったトラにぴったり寄り添っている姿を見ると
家に連れて帰る事が出来ませんでした。
そして今日、トラの大好きだったキジ猫と一緒に
いつもの小屋の中で最期を看取る事ができました。
厳しい外での生活をトラは頑張って生き抜きました。
小屋で待ち続けたご主人にも天国で会えたと思います。
トラは私に野良猫の過酷な生活を教えてくれました。
飢えと真夏の暑さと厳しい寒さ。
どんな状況でも必死に生きる事を教えてくれたトラ。
自宅に戻り飼い猫を見るとなぜ、同じ猫なのに...
と胸が痛む時もありました。
生まれ変わったら次は必ず家猫にと願って止みません。
過酷な状況で暮らす猫が少しでも減る事を願い
私にできる事をこれからも続けていくから
天国から見ていてね。
さようなら、トラ。ありがとう。
猫班 富樫奈央
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