Nコンはこの10年で何が変わったのか❓ | Nコンブログ【NHK全国学校音楽コンクール合唱ファンブログ】

Nコンはこの10年で何が変わったのか❓

Nコンは今年で90回目のメモリアルイヤー

 

今週末からは全国コンクールも始まります。
ここ何年かのNコンを振り返っていたら、いろいろと変わったと実感したので、ここ10年のNコンを振り返りながら、どう変わったのかを見てみたいと思います。

 

10年前は80回記念大会で小学校の部での楽曲「ふるさと」が起用され話題にもなりました。
中学校の部はゆず「友~旅立ちの時~」、高等学校の部は文月悠光「ここにいる」でした。

 

 

審査基準の変更

 

2013年に審査基準が変更になりました。
大きな枠組みとしては変わっていませんが、どういう演奏が評価されるのかがより具体的に提示された印象です。

また、伴奏が審査対象外だったのが、伴奏付きは合唱を重視して審査するようになりました。
ミスや伴奏の未熟さで減点されるというわけではなく、巧くても合唱に絡まない伴奏が見られることへの対応のように思います。

「教育事業として、参加各校の音楽活動の多様性を尊重」という文言が加わったのもポイントだと思います。
当時のNコンは難曲志向が加速していて、それが全国に波及してしまい、特に中学校の部は多くの学校が超中学生級な合唱曲を競って演奏していた印象で、「Nコンはこれでいいのか❓」という危惧がありました。


そんな審査基準が変更となった年に、中学校の部で金賞を受賞した学校の自由曲は「たましいのスケジュール」でした。
この曲は今でも盛んに歌われる人気曲となり、この後10年のNコンにおける選曲の方向性を決定づけたようなインパクトがありました。
難曲でなくても、十分に詩を理解し、音楽的に歌い上げられる楽曲がNコンで盛んに選ばれるようになったと思います。

この流れで選曲に邦人曲が増えたというのもこの10年の特色の1つだと思います。
さらには昨年の中学校の部の金賞校の自由曲が小学校の部で盛んに歌われていた「まいごのひかり」だったのは記憶に新しいと思います。


もちろん、難曲や外国語曲にチャレンジすることが否定されたわけではありません。
十分消化できる実力があれば挑戦すればよいと思います。
ただ、入賞校へのあこがれだけで選曲してしまい、楽譜をなぞるだけで精一杯になってしまったらNコンでは評価されにくいという感じはあります。

つまり、中学生であれば「中学生の割に頑張った演奏」ではなく、「中学生だからこそ生み出せた演奏」が評価されると言っても過言ではないと思います。

 

 

昭和57年のコンクール後に教育誌で、審査員からこういった声が出ていたのを紹介しておきたいと思います。
ともすれば技術偏重に陥りやすい現在のコンクールにも通じるものだと思います。

 

 

「子供不在に我々の反省を」
大半が何か大きな忘れ物をしているような演奏であった。
子供たちは歌っていない。歌わされていた。
そこでは心よりも技術、子供より先生が主役だった。

 

 

 

開催が当たり前ではなくなった

 

ここ10年、コンクールが開催されるのが当然ではなくなりました。
特に台風等の自然災害で中止が急増しています。
警報発令では無理に外出しない傾向になり、交通機関もすぐにストップするようになったので、仕方ないことではあります。

極めつけは新型コロナウイルス感染拡大による戦後初のコンクール中止。
翌年は開催されたものの、マスク着用による歌唱が統一ルールになり、全体合唱もなくなってしまいました。
今年は現時点で中止もなく、マスク着用も義務でなくなり、全体合唱も復活しています。

 

 

 

Nコンライブがなくなった

 

今となっては「Nコンライブ」って何❓と言う人もいるかもしれませんが、2009年~2014年まではブロックコンクールが「Nコンライブ」でネット中継されていました。
開始当初は当日のみの配信で、一部ブロックや一部部門のみでしたが、徐々に全部門生中継・オンデマンド配信となっていきました。

配信技術の実証実験という位置づけだったようで、2014年を最後になくなってしまいました。

 

 

Nコンライブ

 

 

もはや懐かしさすら感じますが、現在はNコンon the Webで、3年以内のブロックコンクール以上の演奏動画がコンクール後に視聴できるようになっています。

 

 

 

部活動の地域移行が始まった

 

今後のNコンの存続にも関わる大きな問題がこれです。
一部地域ではすでに始まっており、部活動の委託先の判断によって一部地域の学校が一律で参加できないという事態も発生しました。

Nコンでは地域移行にするため、合同参加校数の無制限化外部指導者の参加許可等を打ち出しています。
しかし、地域移行に関しては先行きが不透明で、さらなる対応の必要性や存続に関わる問題も発生する可能性を秘めています。
 

 

 

最後に…

 

細かく見ればまだまだ変わった点はあります。

個人的にはYouTubeでさまざまな合唱団による 「Nコン課題曲を歌ってみた」動画が増えたことも小さいながらも大きな変化だと思います。

 

来年からは100回記念大会に向けた1年が始まりますが、その前に今週は全国コンクール

出場校も出揃い、どんな演奏が聴けるのか楽しみにしています。

 

 

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