ナビ嬢が生後19日目に受けた動脈管閉鎖術についての記録です

赤ちゃんにより、各種の条件は様々です。あくまで一例として、動脈管開存症について知りたいパパママの参考になれば幸いです



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*病 名*

動脈管開存症


*手術名*

動脈管閉鎖術(結紮術)


*麻 酔*

全身麻酔


*手術日*

平成21年9月21日(月)


*執行医師*

執刀医M・Y医師 他 心臓血管外科スタッフ


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平成21年9月20日(手術前日)

PM12:00 麻酔科医師からの説明

ナビ嬢の手術に使用する麻酔は三種類


①眠らせる麻酔


②筋肉を動かなくさせる麻酔

→手術中に身体が動くと大変危険なので動けなくするために使用。肺の機能は停止するが人工呼吸器を仕様(ナビ嬢は既に人口呼吸器を仕様しているため新たな挿管等はなし)


③痛み止めの麻酔


麻酔中は麻酔科医師がモニターにより、ナビ嬢の状態(血圧等)をリアルタイムで監視を行いますので安心してください。またモニターするための器具は、既存の挿管器具を使用するため、新たな器具の挿管等はありませんとの事



【ナビ太から麻酔科医師への質問】

Q:麻酔はどれくらいの時間で覚めるのか?

A:全ての麻酔は自然に覚めるのを待つ(故意に覚醒させることなしない)ため、覚醒するのは個人差がある。当日に覚醒することもあれば、翌日になってから覚醒することもある


Q:麻酔をすることによって今後の発育に影響はあるのか?

A:麻酔自体が原因となって今後の発育の障害となることはほとんどない



PM13:00 心臓血管外科医師からの説明


詳しく知りたい方はこちら

↑は難しいのでナビ太なりに超簡単に訳します


【動脈管開存症とは】

赤ちゃんは、胎盤を通してママから酸素をもらっています。

そのため、赤ちゃんはママのお腹の中では肺を使いません。

早く成長するために、お腹の中にいるとき限定で使っていない肺を通らずに血液を循環させるための血管を赤ちゃんは使っています。←この血管のことを動脈管といいます

通常ですと、この動脈管は生後2週間くらいで自然に閉じます。この血管が閉じないのが動脈管開存症です。


【動脈管開存症だとどうなるのか】

全身に血液が上手く運べないので、体内酸素、血圧が不安定になり成長が遅れる。動脈管を逆流した血が肺にたまる。


【治療はどうするの?】

はじめに、インドメタシンという薬を使って自然に閉じるのを待ちます。

この薬で80%~90%の赤ちゃんは動脈管が閉じます

ただ、この薬にも副作用があるので何回も使えるわけではありません。

ナビ嬢は7回も使いましたが閉じませんでしたしょぼん



閉じない場合は手術となります。


【手術はどうするの?】

左脇腹からのアプローチが主流です。(女の子でも傷が目立ちません)

左脇腹を切開し、肺をよけて動脈管を特殊な糸で縛り閉鎖させます。


そのほか、心臓の合併症等がある場合には胸の中央からアプローチするケースもあります。


【成功率は?】

執刀医、病院によって大きく変わるようです。

ナビ嬢を執刀していただいた先生は、心臓血管外科では有名な方らしく動脈管閉鎖術での失敗はゼロ(成功率100%ビックリマーク)とのことでした。


【危険性はあるの?】
この欄は、安心して手術に臨みたい方は読まないで下さい。

読みたい方は、ホワイトカラーで記入していますので、マウスドラッグの上お読みください。


ここから


◎手術に伴う危険性◎

心不全 脳出血 無気肺 呼吸不全


動脈管の周囲には、沢山の血管や神経があり、動脈管に密着しています。そのため、手術時にはその血管や神経を動脈管からはがす必要があります。未熟児の血管は非常に小さく、また強度も低いためこのときの作業で血管が破れるリスクが通常に比べて高くなります。一度出血してしまえば、心臓に近い血管のため輸血を行っても致命的状況になる危険性があります。


動脈管を糸で縛る際も同様に血管が破れる可能性もあり、上記と同じく致命的状況になる危険性があります。

またこの動脈管を糸で縛った際、血液の流れが急に変わるため、脳に急激に血液が流れる可能性もあり、その際は脳出血の危険性もあります。


動脈管へアプローチする際に、肺をよける必要があるため、左脇腹を切開後、左側の肺を押さえ収縮させます。収縮自体は問題ありませんが、この時膨らんだままの右肺が身体の下となっているため、血液や痰が流れ込み呼吸不全におちいる可能性があります。重症時は呼吸器でも対応できなくなり、致命的状況になる危険性があります。


◎術後に考えられる合併症、後遺症◎

感染症 肺炎 気胸 無気肺 出血 嗄声


切開箇所から感染症を起こす危険性があります。


手術時に肺に負担がかかるため、各種肺疾患を起こす危険性があります。


動脈管のすぐそばには、声の神経が通っていて、この神経は大変細くて目に見えないほどの細さの場合もあり、動脈管を縛る際に一緒に縛ってしまうことがあり、嗄声(声がかすれる)の危険性があります


ここまで




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