皆様こんにちは。ナチュロパスの植村和美です。

 

どんな症状で来られていても

クライアントさんに必ずお伺いするのは、

腸の調子や、消化機能に関する質問です。

その中でも、お腹の膨満感、下痢や便秘、

お腹にガスが溜まりやすい、などの症状が

見られる方は、たいてい何かの食べ物が

合わないケースです。

その中でも多いのが、グルテンを含む食品です。

今日はグルテンについてお話します。

 

最近は、グルテンフリーダイエットが、

はやりのようで、

グルテンフリーと聞くと、健康的と

思われる方が多いようです。

スーパーにいくと、ひと昔前までは、

ほとんど見ることがなかった

グルテンフリー食品が、今は至る所で、

見られます。ひと昔前に流行った低脂肪食品の

ノリです。

 

グルテンは、グルー(接着)を意味するラテン語から

作られています。

それはグルテンが持つ独特の粘りや弾力性から

来ており、パンのふっくら感や、麺類のこしは

このグルテンなくしては作りだせないものです。

グルテンは、小麦や大麦、ライ麦に含まれる

タンパク質の成分です。

 

麦類に含まれるタンパク質成分のうち、

細かく分けると、

グルテンもグリアジンと、グルテニンという

種類があり、

その他に、アルブミン、グロブリンや

アミラーゼなどが含まれます。

 

グルテンの中でもグリアジンは、

α、β、γ、ωに分かれ、

ωー5グリアジンは、乳幼児に見られる

即時型のアレルギーに関与しており、

重篤なケースは、気管がふさがってしまう

アナフラキシーを起こしたり、

喘息やアトピー性皮膚炎の原因になったりすることが

わかっています。

 

また、α/βグリアジンはセリアック病の原因となります。

 

セリアック病は、グルテンを

異物であると判断し、自己免疫が

反応して、炎症を腸内で起こし、その結果

腸壁を覆う、腸絨毛という栄養素を吸収するのに

大切な部分にダメージを与えてしまうという、

自己免疫疾患です。

 

(Celiac Desease Foundationより)

上の写真を見てください。

上部は正常な腸壁で、

下がセリアック病の人の腸壁です。

こんな風に腸壁の表面がつるつるになってしまって

栄養素を吸収する箇所が、ダメージを受けています。

そのため、栄養不足から

貧血や、不妊症、骨粗鬆症、1型糖尿病や、

うつ、ADHD(注意欠陥多動性障害)、パニック障害

などの精神的な症状を引き起こしたり、

皮膚疾患ダウンを起こしたりすることになります。

全体で約1%の人がセリアック病にかかっていると

言われていますが、多くは、セリアック病とは

知らないままでいる方もあるようです。

 

セリアック病かどうかを調べるテストは、

内視鏡検査や、腸壁の組織を一部採取して、

調べる生検法、また、遺伝子テストなどがあります。

 

これに対して、セリアック病ではないけれど、

グルテンを含む食品に反応する、

グルテン過敏症(NCGS:Non-celiam gluten sensitivity)

に該当するケースもあります。

主な症状として、腹部の痛み、下痢、膨満感、

必要以上におならが出る、疲れ、集中力低下、

関節や体の痛みなどが挙げられます。

これらの症状は、他の病気にも関連があるため、

グルテンを含む食品が原因であることを

気づかないことがあります。

ある研究によりますと、

グルテンの一種、グリアジンは、

腸壁の細胞と細胞の間の密着度に影響を与えることが

わかっています。腸細胞はその細胞間を

タイトジャンクションという

留め金のような役割をするもので、

結合されているのですが、

この浸透性に、ゾヌリンというタンパク質が関わっています。

(参考文献はこちら

小腸で吸収された栄養素は、

血管を通って体の組織に運ばれますが、

腸細胞間がこれらの栄養素が浸透できるよう

細胞と細胞の間の浸透度をゾヌリンが調整します。

 

グルテンの一種、グリアジンは、

このゾヌリンの量を増やす引き金となります。

その結果、更に腸細胞間に必要以上の隙間が

できてしまうことなります。

(下手くそな絵でごめんね)

 

この現象を

リーキーガット(腸壁漏洩症候群)と呼びます。

この言葉、健康について興味のある方は、

聞かれたことあると思います。

 

細胞間のすきまが大きくなると、

普段通過することのない、細菌や

グルテン、牛乳にふくまれるカゼインといった

タンパク質成分など、

比較的大きな分子を持つ物質が、

腸壁を浸透して、血管へと入っていくことになります。

 

これらの物質は、普段血液中に見られることがないため、

私たちの免疫細胞が、

異物と見なし、やっつけようとして、

ヒスタミンや、

サイトカインなどの炎症となる成分が分泌されます。

炎症が続くと、

体に様々な症状を引き起こすことになります。

 

また炎症が起こると、自己免疫細胞から発生する

酸化成分が、細胞へのダメージを引き起こします。

 

リーキーガットは、

自己免疫疾患や、

糖尿病

慢性疲労

うつ

自閉症

などと関連性があります。

 

目あし目あし目あし

小麦や麦類に対して、反応する場合、

グルテンなどのたんぱく質の成分ではなく、

糖質の成分が一因となっている場合もあります。

小麦には、フルクタンというオリゴ糖が

含まれていますが、

十分に消化されず、

小腸で吸収されなかったフルクタンは、

水分とともに、大腸へ移動します。

大腸にある腸内細菌が、

これを餌にして、発酵を起こします。

すると、ガスが溜まりやすくなったり、

お腹の痛みや、下痢、また便秘といった

状態を引き起こすことに。

また、IBS(過敏性腸症候群)の原因とも

言われています。

 

このような消化しきれない糖質は

オリゴ糖を含む、

 

Fermentable(発酵性のある)

Oligo-saccharides(オリゴ糖)

Disaccharides(2糖類)

Monosaccharides (単糖類) and

Polyols(ポリオール)

 

があり、それらの頭文字をとって

FODMAP(フォドマップと呼びます)

と呼ばれています。

 

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小麦は、一万年前から

栽培され始めたとのこと。

その頃に栽培されていた小麦と、

現代の小麦では、きっと栄養的に、

違いがあると思います。

 

土壌の状態、農薬や除草剤の使用、

精製の過程などが、人間の体に反応しやすい

麦に変えてしまっているのかもしれません。

 

また、ある専門家は、パンを作る過程で、

一晩寝かせてじっくりとイースト菌で発酵させることで、

グルテンなどの成分が少し分解されやすくなるところを、

スーパーマーケットに売られている大量生産による

食パンは、発酵時間が短縮されることで、

十分な発酵やあまり好ましくない成分の分解が

なされていないことにも一因があるのではないかと

指摘しています。

 

サワードーブレッドは、天然酵母から作るパンで、

乳酸菌や、酵母など複数の微生物によって、

ゆっくりと発酵させて作るパンですが、

ある研究によると

セリアック病の人がサワドーブレッドを

食べても問題なかったという報告があります。

 

 

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グルテンが含まれているかどうか、パンや、パスタ

麺類などわかりやすいものはいいのですが、

以外にも隠れたグルテンが食品には潜んでいます。

スープの素だったり、しょうゆだったり、

そばだったり、意外なものに入っていることもあります。

 

もし、あなたが、グルテンフリーダイエットを

考えておられるのなら、

その前に、まず腸の調子が、

グルテンを含む食品を食べたときに、

どうなるか、モニターしてみてください。

 

パンや、パスタ、うどんなどの麺類を食べると

お腹が張る、痛くなるなどの症状が

ある場合は、もしかすると、小麦や大麦を含む

食品があってないのかもしれません。

 

ながーいブログになってしまいました。

読んでくださってありがとうございました。

 

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