咲くやこの花・・・桜 さくら サクラ ♪
美しき春を迎え、心浮き立つ感覚に
季節の移り変わりを感じます。
野鳥の鳴き声も心躍る春の喜びに聞こえますね。
『椿落ちてきのふの雨をこぼしけり』
俳人 与謝蕪村
花は散るから美しい
早き春呼ぶ福寿草
甘き香に酔う沈丁花
野鳥呼びたる梅の香
地にまた咲ける落ち椿
見上げる薫り、花コブシ
しだれる花穂、雪柳
春を告げる福寿草
野の鳥は、庭に蒔いた米粒でさえ
空の上から見つけ、群がってきます。
それは、常に生きるために食を求めているからなのでしょう。
私たちも鳥と同じように心の中で常に求めているものが
目に入ってくるのですね。
『むらさきの野辺の芝生のつぼすみれ
かへさの道もむつましきかな』
歌人 藤原俊成
可憐なスミレの花
絢爛豪華、シャクナゲの花
淡き花色小さきスミレ
花真っ盛りゲンカイツツジ
カツラの若葉、黄金色
黄金色に輝くカツラの若葉
優雅な薄紅色の花、気品ある淡き薫り、
老木の神々しい姿、錦綾なす紅葉と
姿色端麗の桜は、古来より日本人に愛されてきました。
とくに美しい花を潔く散らす様は、
日本人の心を捉えて離さない魅力のひとつですね。
『敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花』
国学者 本居宣長
新井田公園の満開の桜
霞む桜やピンクムーン
風に漂う桜香
飛花落花、大地彩る花吹雪
コケの上に桜の花
大自然を前にすると考えることを忘れさせてくれます。
窓越しに見える
空を流れる雲のような
ゆったりした生き方が
人間本来の生き方だと感じます。
『白川の春の梢の鶯は花の言葉を聞く心地する』
歌人 西行
庭に咲く芳しい薫りの 紫桜
初鳴きかすか遠き鶯
舞い来る初蝶、花の庭
風に躍りし山吹の花
雨に濡れたる風情、ハナカイドウ
庭を彩るハナカイドウ
春の花は、色とりどりに大地を染めていく
人の働きもそうありたい
夏の空は、爽やかな風で大地を清めていく
人の心もそうありたい
秋の落ち葉は、美しく朽ち果て大地を豊かにしていく
人の死もそうありたい
冬の雪は、すべてを包み込み大地を潤していく
人の愛もそうありたい
『言葉は心の足音である』
僧侶・著述家 松原泰道
いつも庭に遊びに来る岩の上のネコ♡
花の盛りの春過ぎて、
青葉若葉の茂る夏。
山色づきて涼風の秋。
大地、雪に埋もれて冬来る。
かわいらしい桜の花
四季折々の情景に大きなエネルギーを得て、
わたしたちは生きています。
ひとりには広すぎるこの世界で、
小さな文明の利器だけの世界で生きていくのは、
少し淋しい気がします。
美しく咲き誇る桜
天地の働きは、どこまでも自由で制限がありません。
鳥は風を意識しなくても大空を飛ぶことができます。
魚は水を意識しなくても大海を泳ぐことができます。
私たちも自然の中で生まれ、自然の中で生きています。
一歩外へ出れば、そこは広い広い大自然の片隅です。
まったく違った表情を見せる季節の中に
心ゆく眺めを探し求めることこそ
本当の贅沢といえるのではないでしょうか。
『浮生(ふせい)は夢のごとし。
歓(よろこび)を成すこと幾何(いくばく)ぞ。』
詩人 李白
紅白に咲き分ける珍しい 咲き分けジンチョウゲ
春、花に坐し
朧夜、月に酔う
薫風、心に清し
さあ、春風を浴びにアン・ノーン(unknown:未知)の世界へ
出掛けてみませんか。
お気に入りの靴を履いて。
杉沢中学校の1本桜
紀心 Noriko