矢野経済研究所では、国内の介護システム市場に関する調査を実施し、その概要を発表した。(ケアマネジメントオンライン)

介護システムとは、さまざまな介護サービス事業所を対象とし、介護保険請求業務やケアプランを始めとする各種帳票類作成・管理業務等の支援を行うシステム を指す。但し、国民健康保険中央会が提供する、簡易な保険請求機能やデータ伝送機能を持つ国保連介護伝送ソフトは含まない。

なお、この調査における介護システム市場規模は、パッケージソフトウェア売上高(エンドユーザー渡し価格ベース)と、ASP(ApplicationServiceProvider)サービス売上高(サービス事業者売上高ベース)を合算し算出した。 

■調査期間:2013年12月~2014年2月

■調査対象:ソフトウェアメーカー及びサービス事業者等

■調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送によるアンケート調査、電話によるヒアリング、文献調査併用

【調査結果概要】
■市場規模は約170億円
・2013年度の介護システム市場(パッケージソフトウェア+ASPサービス)は、介護保険制度や介護報酬の改正による改修ニーズ等の反動が見られた2013年度からプラスに転じ、前年度比105.5%の169億6400万円の見込み。

■ASPサービスが本格普及
ASPサービスが急速に普及拡大したことで、高額なパッケージソフトウェアの導入が困難であった小規模な介護サービス事業所を中心とした未導入事業所での 導入が促進された。また、ASPサービスの高機能化が進み、パッケージソフトウェアとの機能差は縮みつつあり、大規模な介護サービス事業所での利用も徐々 に増加している。

■市場予測
2014年度の介護システム市場(パッケージソフトウェア+ASPサービス)は、次期介護保険制度改正・介護報酬改正のためのシステム需要により、前年度 比109.9%の186億3500万円になると予測する。2015年度の同市場はその影響で前年度比93.9%と落ち込むものの、以降も市場はASPサー ビスを中心として順調に成長を遂げ、2017年度の同市場規模は196億円になると予測する。

【資料発刊】
資料名:「2014年版 介護ICT・高齢者向けICTサービス市場の将来展望」
http://www.yano.co.jp/market_reports/C56101100