厚生労働省の交付金で整備した地域密着型の介護サービス施設のうち、25都道府県の326施設の利用状況を会計検査院が調べたところ、約8割に当たる255施設で利用率が50%を下回り、交付金約43億円が有効に活用されていないことが22日、分かった。検査院は同省に改善を求めた。(ケアマネジメントオンライン)

調査の対象は、平成18年度の介護保険法改正で導入された地域密着型の介護サービスのうち、「小規模多機能型居宅介護施設」と「認知症対応型通所介護施設」。平成23年度は小規模多機能型で上限3,000万円、認知症対応型で同1,000万円が市町村を通じて事業者に交付される。

検査院によると、平均利用率が50%を下回っていた事業所のうち、94事業所は平均利用率が30%未満だった。また、オープンしてから一度も利用がない事業所も8施設あった。

利用が低調な理由について、調査対象施設は「サービス利用上の問題」「要介護者等への周知不足」などを挙げている。とくに、通所の利用を想定していた小規模多機能型では、実際は宿泊を中心とした利用を望む声が多く、需要に関する事前の調査が不十分だった、としている。

◎「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等により整備した地域密着型施設の利用状況について」
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/25/pdf/251022_zenbun_4.pdf