社会保障制度改革に関し、介護や医療など個別の関連法案を提出する時期や実施時期などの工程をまとめた「プログラム法案」の要綱原案の全文が九日、判明した。高所得者の利用者負担(現行一割)引き上げなどを含む介護保険法改正案は二〇一四年の通常国会に提出し、一五年度をめどに実施すると明記した。

 政府は二十一日に要綱を閣議決定し、プログラム法案を秋の臨時国会に提出する。原案は、政府の社会保障制度改革国民会議が五日に決定した報告書を踏まえて作成された。

 介護保険法改正案には、軽度の「要支援」者を保険の対象外として、市町村の事業に委ねる改革も含む。

 医療保険では(1)一割に据え置かれている七十~七十四歳の窓口負担を、新たに七十歳になる人から段階的に二割に引き上げ(2)紹介状なしに大病院を訪れる患者に定額自己負担を導入(3)国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移す(4)大企業の従業員が加入する健康保険組合の負担増-などを一四~一七年度に実施する。

 七十~七十四歳の自己負担引き上げは法改正なしで可能。他の法改正が必要な項目は関連法案を一五年の通常国会に提出する。

 年金については、少子高齢化に応じて給付を減額調整する「マクロ経済スライド」の強化や年金課税の見直しなどに言及したが、法案の提出や実施の時期は示さなかった。

 病院機能を再編し、在宅医療、在宅介護を推進する医療法改正案は一四年の通常国会に提出し、一七年度までに実施する。

 難病支援制度を確立する新法案を一四年の通常国会に提出し、一四年度をめどに実施することも盛り込んだ。(東京新聞)