厚生労働省老健局老人保健課の迫井正深課長はこのほど、保健・医療・福祉サービス研究会が主催する老人保健施設(老健)をテーマとしたセミナーで講演した。迫井課長は、今後、認知症は極めて重要なテーマとなるとした上で、「日本社会全体が『10人に1人は認知症になる』という覚悟を固める必要がある」と訴えた。

 また、ケアマネジメントの質向上も今後の重要なテーマと指摘。「1人ひとりのケアマネジャーの資質を向上させる工夫と同時に、ケアマネジメントの質を向上させるための仕組みの整備も大切」と述べた上で、具体的には、地域ケア会議をどのように位置づけるかが重要になるとの認識を示した。
 今年4月、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)や複合型サービスが導入された点については、「(団塊の世代が後期高齢者となる)2025年を目指した最初の一歩」とする一方、より実情にあったサービスを実現するため、継続して改善に取り組む必要があるとも述べた。

 老健については、「医療サービスの充実が今後の課題」と指摘。また、今年4月の介護報酬改定で、短期集中リハビリテーション実施加算やターミナルケア加算の報酬や要件が見直された点に触れた上で、看取りや在宅復帰を目指したリハビリへの老健の積極的な取り組みが期待されるとした。(CBニュース)