内閣府は11日、介護人材の能力を評価する「介護プロフェッショナルのキャリア段位制度」を事業所が導入した場合、介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件の一部を満たすとする方針であることを明らかにした。厚生労働省の「介護職員の処遇改善等に関する懇談会」の会合で公表した。

 厚労省によると、介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件のうち、「資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと」の項目が、「キャリア段位制度」の導入に該当するという。

 「キャリア段位制度」は、業界全体で活用できる7段階の能力の「ものさし」を作ることで、効率的な人材育成と新たな人材の参入促進を目指す制度で、特に実践的スキルを重点的に評価する。段位を認定する際には、事業所の中から「アセッサー(評価者)」を選出しなければならない。アセッサーとなる人は、一定の能力があることに加え、定められた講習を受講する必要がある。内閣府では、今年10月をめどに全国で導入する予定で、当面は、大多数の介護職が該当するとみられるレベル4までの認定を行う。

■「アセッサー」の在り方を批判する声、相次ぐ

 会合では、日本介護福祉士会の石橋真二会長による「認定介護福祉士(仮称)の在り方に関する検討会」の中間まとめに関する報告なども行われた。出席者からは 「アセッサーの育成が大変な課題ではないか」(廣江研・全国社会福祉施設経営者協議会介護保険事業経営委員長)、「アセッサーという言葉自体、分かりにくい。また(アセッサーになると想定される)サービス提供責任者や管理者は、大変忙しい。評価する時間を得るのが課題」(因利恵・日本ホームヘルパー協会会長)など、アセッサーの在り方を批判する意見が相次いだ。さらに、「(認定介護福祉士など、新たな制度を導入・普及するにしても)介護報酬上で何らかの評価が必要。それが次期改定までの課題」(三根浩一郎・全国老人保健施設協会常務理事)との声も上がった。
 また、2025年までに約100万人の介護職を増やす必要があるとされている点について、「どうやって確保するのか」(廣江氏)、「今のペースでは届かない」(村川浩一・日本社会事業大教授)など、その実現性を懸念する意見も続出した。(CBニュース)