日本医師会(日医)は22日の記者会見で、医療・介護の連携の在り方について、介護保険委員会(委員長=野中博・東京都医師会長)の意見がまとまり、原中勝征会長に答申したと発表した。答申は、介護保険の主治医意見書を作成する医師は、「利用者本位の生活を支えるサービス提供に大きな役割を期待されている」とした上で、「地域医師会は医療・介護の連携を支援し、地域包括ケアシステム構築のために積極的に関与しなければならない」とした。

 同委員会は、2010年7月に原中会長から、「介護保険における医療との連携」についての諮問を受け、2年間にわたり議論を続けてきた。

 この日の会見で、答申を説明した、介護保険担当の三上裕司常任理事は、「地域を一つの病棟ととらえて、医療機関や施設など、個々の課題についても、地域全体の流れの中で、解決を図るべきだとして、医師会の積極的な関与と、それを実現する政策的なサポートを求めている」などと述べた。

 答申は、介護保険施設、有料老人ホーム、在宅医療といった、様々な場面で生じている医療・介護サービス提供の問題点や介護報酬の在り方などを検討し、方向性を示した。介護老人保健施設では、介護報酬に医療ニーズに対する費用が包括化され、医療行為への正当な評価がない、と指摘し、急性疾患発生時の迅速な医療へのアクセスを可能にするシステムを検討する必要があるとしている。

 地域包括ケアシステムは、中学校区単位の生活圏ごとに高齢者の介護サービスを構築することが基本。これを踏まえ、地域包括ケアシステムについては、「診療所の医療圏とほぼ同一であり、今回の同時改定を始まりに医療・介護の地域における再編成が始まったといえる」と締めくくっている。(CBニュース)