日本介護クラフトユニオン(NCCU)は17日、第12回中央委員会を開き、今年の春季労働条件交渉で、例年通り平均1万円以上(月給制組合員)の月給引き上げを要求する方針を決めた。NCCUの調査によると、介護従事者の平均月給は全産業平均を約8万円下回っており、引き続き格差の是正を目指す。

 また、時給制組合員については平均60円以上の時給引き上げ、年俸制組合員については平均16万円以上の年俸引き上げを求める。制度面では、定期昇給制度と扶養手当(家族手当)の導入を要求する方針。賃金改善交渉以外では、定期健康診断の項目に、婦人科検診と腰痛検診を加えることを求める。

 今後は同じ介護事業者の組合員でつくる各分会が、それぞれの事業者に対して24日までに要求書を提出。その上で、統一交渉日にすべての分会が一斉に団体交渉を開始する。

 この日の中央委員会ではまた、今年の期末一時金(ボーナス)について、年間で4.0か月分を要求基準にするとの交渉方針も決めた。

■12年度改定は「全体的に厳しい」―二宮会長
 中央委員会の冒頭であいさつしたNCCUの二宮利夫会長は、2012年度の介護報酬改定について、「全体の改定率は(プラス)1.2%になったが、新しいサービスが創設される関係で、全体的には厳しい数字だ」との見方を示した。また、今年度末で終了する介護職員処遇改善交付金に代わり、「介護職員処遇改善加算」が新設されることに関しては、「加算という形で介護報酬に組み入れられたことは、NCCUが主張していた結果になった。しかし、まだ満足のいく形ではなく、処遇改善に向けた取り組みをこれからもしていかなければならない」と強調した。(CBニュース)