介護保険3施設の入所者の平均要介護度が、前年に比べて0.01-0.02上昇したことが、厚生労働省がこのほど公表した「2010年介護サービス施設・事業所調査」の結果で明らかになった。各施設共通で入所者全体に占める割合が前年より増えているのは要介護1と5だが、全体的に要介護5の増え方が大きい。

 調査は、全国の介護保険施設・事業所を対象に実施。10年10月1日時点の施設・事業所の状況などを尋ねた。

 それによると、特別養護老人ホーム(特養)入所者の平均要介護度は3.88で、前年に比べて0.02上がった。入所者全体に占める割合を要介護度別に見ると、要介護5は1.6ポイント増の35.1%、要介護1は0.3ポイント増の3.1%だった。
 介護老人保健施設(老健)では、要介護5は1.5ポイント増の20.3%、要介護1は1.4ポイント増の9.2%だった。平均要介護度は3.32で、0.01上昇した。
 介護療養型医療施設では、要介護5は0.2ポイント増の58.3%で、要介護1は0.3ポイント増の1.4%だった。平均要介護度は4.39で、0.01上昇した。

 また、特養のうち、ユニットケアを実施しているのは、定員数ベースで24.2%、施設数ベースで30.5%だった。

■退所者の行き先、特養は「死亡」、老健は「医療機関」
 介護保険3施設の入所者が退所した先を見ると、特養では「死亡」による退所が最も多い63.7%を占め、以下は「医療機関」28.9%、「家庭」2.9%などの順になった。一方、老健では「医療機関」が48.9%で最も多く、「家庭」23.8%、「特養」9.3%、「老健」6.6%、「死亡」6.0%などがこれに続いた。介護療養型医療施設では、「医療機関」34.7%、「死亡」33.0%、「家庭」12.1%、「老健」9.9%、「特養」6.5%などの順となった。

 各施設の平均在所日数は、特養が1474.9日、老健が329.2日、介護療養型医療施設が412.0日だった。(CBニュース)