認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)では、軽度者を対象としたサービスの報酬を引き下げる。また、ユニット数が多いほど収支差率が高くなる傾向を踏まえ、「1ユニット」と「2ユニット以上」で別々の報酬を設定。認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)では、家族介護者への支援を充実させるため、現行より長いサービス提供が可能な時間区分を導入し、評価も見直す。

 認知症高齢者グループホームでは、「認知症対応型共同生活介護費1」(1ユニット向けの報酬)と「同2」(2ユニット以上の施設向けの報酬)が導入される。現行の報酬と比較すると、「同1」では、要介護1・2の報酬が低く設定されている。「同2」では、現行報酬と比べ、すべての報酬が引き下げられる。短期利用共同生活介護についても、同様の見直しが行われる。なお、短期利用共同生活介護を実施するには、認知症高齢者グループホームの事業者が、介護保険法の各サービスの指定を受けた日から3年以上経過している必要がある。

 このほか、死亡日からその30日前まで一律に設定している「看取り介護加算」(80単位/日)は、死亡日以前4-30日は80単位/日、死亡日前日と前々日は680単位/日、死亡日は1280単位/日に再編。特に利用者が死亡する直前のケアを手厚く評価する。算定要件は、▽医師が回復の見込みがないと診断した人▽該当するグループホームと密接な連携を確保できる範囲の距離にある病院や診療所の医師、看護師と介護職員らが共同し、利用者の状態や家族の求めに応じた介護を随時提供している▽医療連携体制加算を算定している―など。なお、短期利用共同生活介護費を算定している場合、この加算を算定することはできない。

 夜間ケア加算(25単位/日)は、1ユニットの場合の夜間ケア加算1(50単位/日)と、2ユニット以上の夜間ケア加算2(25単位/日)に再編される。算定するには、夜間および深夜の時間帯を通じて介護職員を1ユニットに1人配置することに加えて、夜勤を行う介護職員を1人以上配置する必要がある。

■長時間のサービス提供を促進-認知症デイ

 認知症デイサービスでは、長時間のサービス提供を促進するため、現行の「3時間以上4時間未満」「4時間以上6時間未満」「6時間以上8時間未満」の時間区分を、「3時間以上5時間未満」「5時間以上7時間未満」「7時間以上9時間未満」に再編。それに合わせ、基本サービス費も見直す。さらに、長時間のサービス提供を充実させるため、延長加算も改正。現行の「8時間以上9時間未満」(50単位/日)と「9時間以上10時間未満」(100単位/日)は、「9時間以上10時間未満」(50単位/日)、「10時間以上11時間未満」(100単位/日)、「11時間以上12時間未満」(150単位/日)となる。

■看取りと短期利用を促進―特定施設入居者生活介護

 特定施設入居者生活介護費と外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費は、利用者の状態にかかわらず、報酬が引き下げられる=表3=。
 一方、看取りができる特定施設を増やすため、「看取り介護加算」が創設される。算定要件は、▽医師が回復の見込みがないと診断した人▽医師、看護師と介護職員らが共同し、利用者の状態や家族の求めに応じた介護を随時提供している▽夜間看護体制加算を算定している―など。死亡日以前4-30日は80単位/日、死亡日前日と前々日は680単位/日、死亡日は1280単位/日と、特に利用者が死亡する直前のケアを手厚く評価する。なお、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費か短期利用特定施設入居者生活介護費を算定している場合、この加算を算定することはできない。


 このほか、以下の条件を満たした事業所は、空室を短期利用者向けに活用することが認められる。
・特定施設入居者生活介護事業所が、初めて指定を受けた日から3年以上経過している。
・短期利用者に提供する空室は、定員が1人のものに限定。
・短期利用者は定員の範囲内で受け入れる。また利用者数の上限は、定員の10%以下とする。
・短期利用の利用者を除く入居者が、定員の80%以上であること。
・短期利用の利用者から権利金などの金品を受け取らない。
・介護保険法などの規定による勧告などを受けた日から5年以上が経過している。
 なお、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費を算定している場合は、空室を短期利用者向けに活用することはできない。(CBニュース)