2012年度介護報酬改定では、訪問介護の生活援助サービスで、提供時間の区切りを60分から45分に短縮したことで、基本報酬(一回当たり)も見直された。現行の30分以上60分未満の報酬と、12年度以降の20分以上45分未満の報酬を比べると、17.0%減になる。また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)の創設を踏まえ、身体介護には20分未満の短時間サービスが創設される。

 生活援助の現行の基本報酬は、30分以上60分未満が229単位、60分以上が291単位。新報酬では、20分以上45分未満が190単位、45分以上が235単位に設定された。また、身体介護に続いて生活援助を行うケースの時間区分も、現行の30分以上(83単位)、60分以上(166単位)、90分以上(249単位)から、20分以上(70単位)、45分以上(140単位)、70分以上(210単位)へと、それぞれ見直された。

 身体介護には20分未満の時間区分を創設し、基本報酬を170単位/回に設定した。午後6時から午前8時までは算定要件はないが、それ以外の日中の時間帯は、算定できる利用者や事業所を絞っている。

 加算では、自立支援型のサービス提供を促す目的で、「生活機能向上連携加算」(100単位/月)を新設。訪問リハビリテーションの実施時に、訪問介護事業所のサービス提供責任者が、訪問リハビリ事業所の理学療法士らに同行して利用者宅を訪れ、共同で行ったアセスメント結果に基づいて計画を作成すれば、初回の訪問介護から3か月に限り算定できる。
 また、改正社会福祉士及び介護福祉士法の施行で、12年度から一定の研修を受けた介護職員がたん吸引などを実施できるようになることを踏まえ、特定事業所加算の要件を見直す。具体的には、同加算1(20%加算)や同3(10%加算)に必要な「重度要介護者等対応要件」に、たん吸引などが必要な利用者の数を加え、算定しやすくする。

 一方、減算では、ホームヘルパー2級修了者をサービス提供責任者として配置している場合、事業所の介護報酬を10%減らす。ただし、12年度中に介護福祉士の取得が見込まれる場合などは、13年3月末まで減算されない経過措置を設ける。また、訪問介護など訪問系サービス事業所と同じ建物に住む利用者30人以上(前年度月平均)にサービスを提供した場合、その利用者分の報酬を10%減算する規定も盛り込んだ。

 このほか、サービス提供責任者の人員基準を見直し、利用者40人ごとに1人の配置を求めることにした。13年3月末までは現行基準でよいとする経過措置も設ける。

■介護予防訪問介護、1-3%報酬引き下げ
 訪問介護の予防給付(介護予防訪問介護)については、基本報酬(一か月当たり)を引き下げる。サービスを週1回程度提供する「介護予防訪問介護費1」を1220単位(現行報酬は1234単位)、週2回程度の「同2」を2440単位(2468単位)、週2回を超える「同3」を3870単位(4010単位)に設定する。同1、2は1.1%の減、同3は3.5%の減となる。

■夜間対応型訪問介護、24時間訪問と兼務可に
 夜間対応型訪問介護事業所の人員基準に関しては、オペレーターや訪問介護員らが24時間訪問サービス事業所で兼務することを可能にする。(CBニュース)