東京都は、12月22日、都庁で「第12回 東京都認知症対策推進会議」を開いた。

この日、最初の議題は、「認知症ケアパス部会」における検討状況。
ケアパス部会とは、地域の医療・介護関係者が連携して認知症の人の早期発見、治療、生活支援などに取り組む体制を構築するにあたって、いかに情報を共有するか、その仕組みの構築、ツールの作成に向けた検討を行うために、設けられたもの。

ケアパス部会の部会長である繁田雅弘副議長が、部会での議論について報告した後、委員から質問、意見が挙がった。

長嶋紀一議長(日本大学文理学部教授)の指名を受けて口火を切ったのは、斎藤正彦委員(医療法人社団翠会倭寇病院長)。

「この手のパスは繰り返し、いろいろなところで試みられているが、使いこなせないのか、知らぬ間に使われなくなっている。施設が使いやすいものではなく、『一人の患者さんが生きていくために役に立つ』という視点を持てば、継続して使われていくだろう」と指摘した。

また、「ケアパス」そのものに対する定義の曖昧さについて指摘する声も挙がった。
これに対して繁田副議長は、「(ケアパスの運用が)うまくいかにのは、何が必要か、何をしたら状況がよくなるのかわからないから。どんな情報を共有しなければいけないのか、議論を重ねるなかで、ケアパスが、紹介状や情報提供書のようなものなのか、あるいは、家族が持っていて書き込めるようなものなのか、自ずと決まってくる」と説明した。

このほか、長嶋議長は、「介護保険におけるケアマネジャーの役割は、ケアパスの作り方を担っているはず。しかし、現状はうまくいっていない」と、ケアマネジャーの役割について言及。「使い勝手のいい、困っている人を助けるものをつくってほしい」と述べた。(ケアマネジメントオンライン)