厚生労働省は2日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会に、認知症治療病棟からほかの医療機関に転院した場合にも退院調整加算を算定できるよう、2012年度診療報酬改定で見直す案を示した。退院して在宅復帰した場合や、介護施設に入所した場合にしか算定できない現在の仕組みを見直すことで、認知症患者の在院日数を短縮させるのが狙い。

 厚労省によると、認知症治療病棟に入院する退院可能性のある患者が退院に結び付かない理由は、「転院・入所順番待ち」が53.7%で最も多い。また、退院支援部署がない場合と、退院支援部署が関与した場合の平均在院日数を比べると、部署がない場合の658.2日に対し、部署が関与した場合では498.1日と大幅に少ない。

 認知症患者の入院の主な理由であるBPSD(行動・心理症状)は、入院から1か月時点でほぼ改善されており、厚労省は1か月程度を目指して在院日数を短縮させたい考えだ。(CBニュース)