厚生労働省は9日の中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会で、10月中旬に開催した中医協と社会保障審議会介護給付費分科会との打ち合わせ会について報告した。2012年度の診療・介護報酬の同時改定に向け、同会では医療と介護の連携に関して、双方の代表者が公開の場で意見を交わしたが、この日の総会で診療側は、介護現場を代表する委員がいなかったことなどに対する不満を漏らした。

 打ち合わせ会には、中医協側から診療側、支払側、公益側の委員が2人ずつ出席したが、同分科会からは学識者のみで、介護施設など現場を代表する委員は参加しなかった。これについて鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「非常にバランスを欠いた人選だった。学者のご意見を拝聴するようで、非常に違和感があった」と指摘した。

■大森分科会長の発言「非常に遺憾」―安達委員

 一方、打ち合わせ会に出席した安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「介護の現場で、医師が最も偉いと思っている事例が多い。これを是正しなければならない」といった趣旨の同分科会の大森彌分科会長(東大名誉教授)の発言を引き合いに出し、「在宅医療の経験が一回でもあれば、医師だけで成立しないということは身をもって知る。非常に遺憾に思う」と表明。さらに、「いまだにそんな印象を持って分科会の議論をしておられるのかということについては、ある意味、暗たんたる思いがした」と苦言を呈した。(CBニュース)