厚生労働省が10月31日の社会保障審議会介護保険部会(部会長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)に提出したケアマネジメントに関する見直し案は、費用の全額を介護保険給付でまかなっている現在の仕組みを改め、新たに利用者負担を導入する内容。昨年の意見書取りまとめに向けた議論でも論点になったが、民主党の一部や介護業界内からの反対が根強く、来年4月施行の改正介護保険法への導入は見送られた。ところが政府・与党が6月に取りまとめた社会保障と税の一体改革成案に、ケアマネジメントの機能強化が明記されたことを機に、導入論が再浮上した。

 この提案に対し、土居丈朗委員(慶大経済学部教授)は、「負担導入がプランの中身への関心を高めてもらえる効果も期待できる」と、前向きな姿勢を示した。
 一方、木村隆次委員(日本介護支援専門員協会会長)は、「ケアマネジメントをケアマネジャーがやる。それが介護保険の一丁目一番地」と指摘。その上で、利用者負担を導入すると、利用者の要望だけが強く反映されたプランが作られてしまう可能性があるとし、厚労省の提案を批判した。伊藤彰久委員(連合生活福祉局長)も「(導入が)自立支援につながるのか、再考する必要がある」と指摘。さらに結城康博委員(淑徳大総合福祉学部准教授)は「ケアマネジメントにかかわる利用者負担は避けるべき」と述べるなど、委員の多くは、利用者負担導入に反対する姿勢を示した。(CBニュース)