厚生労働省は10月31日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東大名誉教授)の会合に、2012年度介護報酬改定で訪問介護の予防給付(介護予防訪問介護)の基本報酬を見直す方針を示した。前回会合で厚労省は訪問介護の時間区分を見直す提案をしており、これを踏まえた報酬を設定する。

 要支援者対象の介護予防訪問介護は月額の包括報酬。週1回程度の利用で1234単位、週2回程度で2468単位、それを超える場合は4010単位にそれぞれ設定されている。厚労省は前回の会合で、要介護者向けの訪問介護の時間区分を60分から45分に見直すことを提案しており、実現すれば報酬の減額につながる。これと足並みをそろえる形で、介護予防訪問介護の報酬についても見直しを図る方針だ。

 このほか厚労省は、介護予防訪問介護をめぐり、▽サービス提供責任者とリハビリテーション専門職が協働して訪問介護計画を作成した場合を報酬上評価する仕組みを創設する▽サービス提供責任者の資格要件からホームヘルパー2級修了者を段階的に除外する▽サービス提供責任者の配置基準を利用者数に応じたものにする―といった訪問介護と共通する見直し案も示した。

■訪問リハ、医師の診察頻度を緩和
 また厚労省は、訪問リハビリテーションの基準と報酬の見直し案も示した。それによると、実際にサービスを提供する理学療法士らに指示を出す医師が、患者を診察する頻度について、1か月に1回以上としている現行基準を3か月の1回以上に緩和。また、医療機関からサービスを提供する場合と介護老人保健施設(老健)から提供する場合で算定要件が異なる現行基準を見直し、老健の要件を医療機関に合わせることも提案した。
 このほか、地域格差の軽減を目的に、サテライト型の訪問リハビリ事業所を新たに整備できるようにする案も示した。(CBニュース)