まず、キムヨナ、真央ちゃん、メダルおめでとう。


今回の結果や点数について様々な意見があるが、個人的には非常に妥当な結果だと思う。


とりあえず、キムヨナはすごかった。

どうすごかったかって、まさに「流れる演技」というやつだった。一つ一つの技も、その前後の動き合わせて完璧だったと思う。三連続ジャンプの三つめのジャンプをあんなにきれいな腕の動きでおまけっぽくなく飛ぶ人を、おれは初めて見た。


もちろん、真央ちゃんも応援していた。でも、よほどのことがない限り金メダルはないと思っていた。

これは実力の差というより、採点基準の問題でもあると思う。

もともと、キムヨナは表現力や構成を重視していて、真央ちゃんサイドはあくまでトリプルアクセルにこだわっていた。この時点でもうキムヨナのほうが圧倒的に有利である。その理由が採点方式である。

巷の感想を見ていると、「なぜトリプルアクセルを2回成功させてあの点差なんだ」「キムヨナの点数良すぎておかしい」とあるが、あれはもともとト、リプルアクセルを成功させた場合の点数がほかのエレメントの出来であっさりまくられてしまうほどのものしかないだけなのだ。

ただ、それは競技前からわかっていたことであり、今プルシェンコが抗議しているジャンプの点数低すぎないか問題でもある。

真央ちゃんが念願の金メダルにたどり着けなかったのは、簡単に言えば「キムヨナという選手がいた」というだけである。今大会の彼女は、あの恐ろしいプレッシャーの中で神がかり的に力を発揮した。あの演技にかなう選手はなかなか今後出てこないであろう。

つまり、真央ちゃんが金メダルを取れなかった理由は、

・キムヨナがパーフェクトを超えるような演技をしたが真央ちゃんはミスをした

・勝ちたいならトリプルアクセルを加点がつくレベルに仕上げつつ、表現力もキムヨナを目指すべきだった

・選曲無理しない


おれは正直、コーチを変えるべきだと思う。キムヨナの力を知っていたなら、トリプルアクセルだけの勝負じゃかなわないのは数字の上ではわかっていたことだった。そしてあの選曲は難易度が高いというよりは、抑揚がなさすぎるしそもそも真央ちゃんに合わない。表現力を出したかったんだろうけど、あれをやらせるなら、体の線で不利な分、表情や細かい動きをもっと強化するべきだった。


ただ、おれがいいたいのは、この二人の今日の演技はとても感動した。二人ともがんばった。なんでこの素晴らしい二人を点数で評価しないといけないのか悲しくなるくらいだった。

でも二人は金メダルに憧れ、それを必死で目指した。そして一つの結果がでた。


今回のキムヨナの演技の素晴らしさを認めない人がいるとしたら、それは高橋大輔の演技を否定することでもある。表現力、演技力で、二人はとても似ているからだ。ジャンプを失敗しても銅メダルをとれた高橋くんの何がすごかったか、付け焼刃な愛国心なしで見てみれば、キムヨナのすごさはわかると思う。


あと、付け足しみたいになるけど、これは大事なこと。

鈴木明子の演技にもすこぶる感動した。安藤みきもがんばった。

みんなすごい。だれも彼らをどうこういうことなんてできないんだよ。